相続時精算課税制度の手続きは難しい?メリットやデメリット注意点も紹介の画像

相続時精算課税制度の手続きは難しい?メリットやデメリット注意点も紹介

守口・寝屋川不動産相続

紺屋嶋 宗一郎

筆者 紺屋嶋 宗一郎

不動産キャリア18年

大阪で19年不動産業に従事しております。大事なご資産である不動産を、最適な活用方法をご提案させて頂きます。行政・宅建協会の不動産相談員も兼務させて頂いておりますので、ご契約の有無に関わらず、ご安心、ご納得いただける事をお約束します。

【2026年最新】相続時精算課税制度とは?不動産の生前贈与のメリット・デメリット・手続きを徹底解説|守口市・寝屋川市の不動産売却ならハルソラ不動産
2026年最新版 不動産相続 生前贈与 相続税対策

相続時精算課税制度とは?
不動産の生前贈与で失敗しないための
メリット・デメリット完全ガイド

「実家の不動産を生前贈与すべきか、相続まで待つべきか」——親の不動産相続を控えた子供世代が必ず知っておきたい「相続時精算課税制度」。2,500万円の特別控除と年間110万円の基礎控除の仕組みから、暦年課税との違い、小規模宅地等の特例との関係、贈与税申告の手続きまで、守口市・寝屋川市の不動産のプロがわかりやすく解説します。

累計2,500万円まで贈与税ゼロ 2024年改正で年110万円の基礎控除新設 手続き・必要書類まで丸わかり
HARUSORA|ハルソラ不動産 守口市・寝屋川市の不動産売却・買取・相続相談

不動産の相続を控えている方にとって、「相続時精算課税制度」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。生前贈与や相続税対策について調べ始めると必ず登場するこの制度ですが、「贈与税がかからないと聞いたけれど本当?」「暦年贈与(暦年課税)とどちらが得なの?」「一度選ぶと戻れないって本当?」など、実際の仕組みやメリット・デメリットについて疑問をお持ちの方は少なくありません。

特に、親名義の実家や収益物件など不動産の生前贈与を検討する場合、相続時精算課税制度の選択は将来の相続税額を大きく左右します。2024年1月の税制改正では年間110万円の基礎控除が新設され、制度の使い勝手が大きく変わったことで、いま改めて注目が集まっています。

本記事では、相続時精算課税制度の基本的な仕組みから、2024年改正のポイント、暦年課税との比較、子供世代が得られる具体的なメリット、見落としがちなデメリットや注意点、贈与税申告の具体的な手続き方法、そしてよくある質問まで、不動産相続を控える子供世代の立場で徹底的に解説します。大切な不動産をはじめとする財産を円滑に受け継ぎ、相続税・贈与税の負担を賢く抑えるために、ぜひ最後までご覧ください。

守口市・寝屋川市の不動産売却はこちら

不動産無料査定はこちら

相続時精算課税制度とは何か(不動産相続を控える子供世代にとっての基本理解)

相続時精算課税制度とは、親や祖父母(贈与者)が一定額までの財産を子や孫(受贈者)に生前贈与した場合、「贈与時には贈与税をかけず、相続の際に相続税でまとめて精算する」という制度です。つまり、贈与税と相続税を一体化して課税する仕組みであり、「税金の支払いを相続時まで先送りしながら、財産そのものは早めに次世代へ移転できる」点が最大の特徴です。

具体的な非課税枠としては、贈与者ごとに累計2,500万円までの「特別控除」が設けられており、この範囲内であれば何回に分けて贈与しても贈与税はかかりません。たとえば1年目に1,500万円相当の不動産、3年目に1,000万円の現金というように、複数年にまたがって贈与しても、合計が2,500万円に収まっていれば贈与税は発生しないのです。そして、2,500万円を超えた部分については、一律20%の贈与税が課されます(この贈与税は、将来の相続税額から控除され、払いすぎていれば還付されます)。

さらに2024年1月からは、新たに「年間110万円までの基礎控除」が加わりました。この基礎控除の範囲内の贈与については、贈与税がかからないのはもちろん、贈与税の申告も不要で、将来の相続財産への加算(持ち戻し)も不要という、非常に有利な取り扱いになっています。この改正により、相続時精算課税制度は従来よりも格段に使いやすい相続税対策の選択肢となりました。

制度を利用できる人の要件(適用対象者)

相続時精算課税制度は、誰でも自由に使えるわけではなく、贈与者と受贈者の双方に年齢・続柄の要件があります。具体的には、贈与者は「贈与をした年の1月1日時点で60歳以上の父母または祖父母」、受贈者は「同じく1月1日時点で18歳以上(2022年3月31日以前の贈与の場合は20歳以上)の子や孫(推定相続人・直系卑属)」に限られます。つまり、典型的には「60歳以上の親から18歳以上の子への生前贈与」で活用される制度です。

項目内容ポイント
年間基礎控除年間110万円まで(2024年1月〜)贈与税・申告不要、相続財産への加算も不要
特別控除累計2,500万円まで贈与税は不要、相続時に相続財産へ加算して精算
超過分の課税2,500万円の超過分一律20%の贈与税(相続時に相続税から控除・還付)
贈与者の要件60歳以上の父母・祖父母贈与年の1月1日時点で判定
受贈者の要件18歳以上の子・孫贈与年の1月1日時点で判定
POINT
相続時精算課税制度は「贈与者ごと」に選択する制度です。たとえば「父からの贈与は相続時精算課税、母からの贈与は暦年課税」というように、贈与者単位で使い分けることができます。不動産相続の計画を立てる際は、誰からどの財産を受け取るのかを整理したうえで、贈与者ごとに最適な課税方式を選ぶことが相続税対策の第一歩です。

2024年税制改正のポイント(年間110万円の基礎控除の新設)

2024年1月1日以降の贈与から適用されている税制改正は、相続時精算課税制度の使い勝手を大きく変えました。改正前の相続時精算課税制度では、一度制度を選択すると、たとえ少額の贈与であってもすべて申告が必要で、贈与額の全額が将来の相続財産に加算されるという「重さ」がありました。このため「暦年贈与のほうが手軽で有利」と判断されるケースも多く、制度の利用は限定的でした。

改正後は、相続時精算課税制度を選択した人にも「年間110万円の基礎控除」が新設されました。この基礎控除は2,500万円の特別控除とは完全に別枠で、①贈与税がかからない、②贈与税の申告が不要、③相続財産への加算(持ち戻し)も不要、という3拍子そろった扱いです。つまり、毎年110万円以内の贈与を続ける限り、税負担も申告の手間もなく、しかも相続税の課税対象からも外れるのです。

一方、暦年課税(暦年贈与)側の改正にも注意が必要です。同じ2024年改正で、暦年課税における「生前贈与加算」の期間が、相続開始前3年から段階的に7年へと延長されました。つまり、亡くなる直前7年以内の暦年贈与は原則として相続財産に足し戻されてしまうため、高齢の親からの駆け込み的な暦年贈与は相続税対策として効きにくくなっています。この点でも、持ち戻しのない年110万円の基礎控除を持つ相続時精算課税制度の相対的な魅力が高まったといえます。

改正項目改正前改正後(2024年1月〜)
相続時精算課税の基礎控除なし(少額でも申告・加算が必要)年間110万円の基礎控除を新設(申告・加算とも不要)
暦年課税の生前贈与加算相続開始前3年以内相続開始前7年以内へ段階的に延長
POINT
「年110万円の非課税贈与」は暦年課税にも相続時精算課税にもありますが、相続直前の贈与が持ち戻されない(相続財産に加算されない)のは相続時精算課税の基礎控除だけです。親の年齢が高くなってからの生前贈与・相続税対策では、この違いが結果に大きく影響します。

暦年課税(暦年贈与)との違いを徹底比較

生前贈与の課税方式には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります。何も手続きをしなければ自動的に暦年課税が適用され、相続時精算課税制度を使うには税務署への届出(選択)が必要です。どちらを選ぶかによって、贈与税・相続税の負担額や手続きの手間が大きく変わるため、両者の違いを正しく理解しておくことが不動産相続・相続税対策の成否を分けます。

暦年課税は、受贈者1人あたり年間110万円の基礎控除があり、それを超える贈与額に対して10%〜55%の累進税率で贈与税が課される方式です。長い年月をかけてコツコツ贈与する「暦年贈与」に向いていますが、前述のとおり相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算されるため、贈与のスタートが遅いと節税効果が薄れます。

一方、相続時精算課税は、累計2,500万円の特別控除によりまとまった財産を一度に移転でき、超過分も一律20%と税率が固定されているのが特徴です。不動産のような高額資産を早期に子供世代へ移したい場合に力を発揮しますが、一度選択すると同じ贈与者からの贈与について暦年課税には二度と戻れないという不可逆性があります。

比較項目暦年課税(暦年贈与)相続時精算課税制度
基礎控除年間110万円年間110万円(2024年〜・持ち戻しなし)
非課税枠基礎控除のみ基礎控除+累計2,500万円の特別控除
税率10%〜55%の累進税率超過分に一律20%
相続財産への加算相続開始前7年以内の贈与は加算基礎控除を除く贈与額を加算(贈与時の評価額)
手続き110万円超の年のみ申告選択届出書の提出+110万円超の年は申告
選択の変更相続時精算課税へ変更可能一度選ぶと暦年課税へ戻れない
向いている贈与長期間の少額贈与不動産などまとまった資産の早期移転

このように、両制度には一長一短があり、「どちらが絶対に有利」と言い切れるものではありません。親の年齢、財産の種類(不動産か現金か)、財産総額、値上がりの見込み、家族構成などによって最適解は変わります。特に守口市・寝屋川市エリアのように地価の動向が資産価値に直結する地域の不動産をお持ちの場合は、不動産の評価額と将来の見通しを踏まえた検討が欠かせません。

相続時精算課税制度のメリット

相続時精算課税制度のメリット(子供世代が得られる具体的利点)

それでは、不動産相続を控える子供世代にとって、相続時精算課税制度を活用することでどのような具体的なメリットがあるのでしょうか。以下に主な利点を表にまとめたうえで、それぞれ詳しく解説します。

メリット内容ポイント
早期のまとまった贈与 累計2,500万円まで非課税で贈与できる特別控除があり、大きな不動産や現金を早めに受け取れます。 非課税枠を活用し、将来的な相続対策と資産取得を両立できます。
将来の値上がりに備えた節税 値上がりが見込まれる不動産などを「贈与時の評価額」で相続税計算に組み込めます。 価格上昇前の安い評価額で税額を確定でき、相続税を抑えられます。
収益物件の家賃収入の移転 賃貸アパート等を贈与すれば、贈与後の家賃収入は子供のものになります。 親の財産の膨張を防ぎつつ、子供世代の資産形成につながります。
年110万円の非課税枠(持ち戻しなし) 2024年新設の基礎控除は申告不要で、相続財産への加算もありません。 相続直前の贈与でも節税効果が消えない、確実な生前贈与が可能です。
家族内合意と相続争いの回避 生前に財産を分けることで、遺産分割トラブルを避け合意形成が容易になります。 資産の移転を円滑に進め、家族間の安心を生み出せます。

メリット①:まとまった不動産・資金を早期に受け取れる

本制度の最大の魅力は、累計2,500万円までの贈与について贈与税が発生しないことです。暦年課税で2,500万円を一度に贈与すると数百万円単位の贈与税がかかりますが、相続時精算課税制度を選択すれば、贈与時点での税負担なしにまとまった財産の移転が可能です。子供世代にとっては、マイホーム取得や教育資金、住宅ローンの繰上げ返済など、資金需要の大きいライフステージで親の資産を活用できることを意味します。実家や土地といった不動産そのものを早期に受け取り、自分の判断でリフォームや活用、将来的な不動産売却まで見据えた計画を立てられる点も大きな利点です。

メリット②:値上がりが見込まれる不動産の相続税を圧縮できる

相続時精算課税制度で贈与した財産は、相続税の計算時に「贈与した時点の評価額」で加算されます。ここが重要なポイントで、たとえば贈与時に2,000万円だった土地が、相続発生時に3,000万円へ値上がりしていたとしても、相続税の計算上は2,000万円のままです。つまり、再開発予定エリアの土地、駅近のマンション、地価上昇が続く地域の不動産など、将来の値上がりが見込まれる資産ほど、早めに贈与することで相続税の節税効果が大きくなります。守口市・寝屋川市を含む大阪近郊でも、利便性の高いエリアでは地価の上昇が見られるため、不動産の評価額が低いうちに贈与を済ませておく戦略は有効です。

メリット③:収益物件なら家賃収入も子供世代へ移転できる

見落とされがちですが、賃貸アパートや貸家などの収益不動産を生前贈与すると、贈与後に発生する家賃収入はすべて受贈者(子供)のものになります。親がそのまま持ち続けた場合、家賃収入は親の財産として蓄積され、相続財産が年々膨らんでいきますが、早期に贈与しておけばこの「財産の膨張」を止められます。結果として将来の相続税を抑えながら、子供世代は安定収入を得て資産形成を進められる、一石二鳥の相続税対策となります。

メリット④:相続直前でも消えない年110万円の非課税贈与

2024年改正で新設された年間110万円の基礎控除は、暦年課税の基礎控除と異なり、相続開始前7年以内の持ち戻しルールの対象外です。たとえば親が高齢になってから毎年110万円の贈与を始めた場合でも、その全額が相続財産から切り離されます。「もっと早く生前贈与を始めておけばよかった」というご家庭でも、今からでも確実に効果の出る相続税対策として活用できるのは、この制度ならではの強みです。

メリット⑤:生前に財産を分けることで相続争いを予防できる

不動産は現金と違って物理的に分割しにくく、遺産分割協議でもめる最大の原因になりがちです。相続時精算課税制度を使って、親が元気なうちに「実家は長男へ、預貯金は長女へ」というように意思を明確にして財産を移転しておけば、相続発生後の家族間トラブルを未然に防げます。親の意思を直接確認しながら進められる生前贈与は、遺言書とあわせて円満相続のための有力な手段です。

不動産の生前贈与のイメージ

相続時精算課税制度のデメリットと注意点(子供世代が注意すべきリスク)

相続時精算課税制度には大きなメリットがある一方で、利用を決める前に必ず理解しておくべき重要なデメリット・注意点があります。「非課税」という言葉の印象だけで安易に選択してしまうと、かえって相続税の負担が増えたり、想定外のコストが発生したりするおそれがあります。ここでは子供世代が特に注意すべきリスクを詳しく解説します。

注意点①:一度選択すると暦年課税には二度と戻れない(不可逆性)

まず最大の注意点は、一度この制度を選択すると、その贈与者との間では二度と暦年課税へ戻すことができないという点です。「今年は相続時精算課税、来年は暦年贈与」といった使い分けは一切できません。将来の税制改正や家族の状況変化に応じて柔軟に方針を変えたくても、選択は撤回不能です。だからこそ、選択前に長期的な相続計画・贈与計画をしっかり立て、税理士などの専門家に相談したうえで判断することが不可欠です。

注意点②:贈与税の申告義務が続く(申告漏れは追徴課税のリスク)

制度を選んだ後は、年間110万円の基礎控除を超える贈与があった年には、必ず贈与税の申告をしなければなりません。特別控除の2,500万円の枠内で贈与税額がゼロであっても、申告自体は必要です。申告を忘れると特別控除が適用されず、贈与額に対して20%の贈与税が課されるうえ、無申告加算税や延滞税といった追徴課税のリスクも生じます。「税金がかからないから何もしなくていい」という誤解が最も危険なポイントです。

注意点③:小規模宅地等の特例が使えなくなる(不動産では特に重大)

不動産の生前贈与で最も見逃せないのが、「小規模宅地等の特例」が適用できなくなる点です。この特例は、被相続人(亡くなった方)の自宅の土地(330㎡まで)や事業用の土地について、相続税評価額を最大80%減額できる非常に強力な制度です。しかし、この特例はあくまで「相続または遺贈により取得した土地」が対象であるため、相続時精算課税制度を使って生前贈与してしまった土地には適用されません。

たとえば評価額3,000万円の実家の土地に小規模宅地等の特例が使えれば、相続税評価額は600万円まで下がる可能性があります。ところが生前贈与してしまうと3,000万円のまま相続税の計算に加算されるため、結果的に相続税の負担が大きく増えてしまうケースがあるのです。実家の土地など特例の対象になり得る不動産については、生前贈与と相続のどちらが有利か、必ず事前にシミュレーションを行いましょう。

注意点④:登録免許税・不動産取得税が相続より重くなる

不動産の名義変更(所有権移転登記)にかかるコストも、贈与と相続では大きく異なります。相続で不動産を取得する場合、登録免許税は固定資産税評価額の0.4%で、不動産取得税は非課税です。一方、生前贈与の場合は登録免許税が固定資産税評価額の2%と5倍になり、さらに不動産取得税(原則3%・土地や住宅は軽減措置あり)も課税されます。たとえば固定資産税評価額2,000万円の不動産なら、相続なら登記費用は約8万円で済むところ、贈与では登録免許税40万円+不動産取得税と、数十万円単位のコスト差が生じます。

注意点⑤:贈与財産が値下がりしても贈与時の評価額で課税される

メリット②の裏返しとして、贈与した不動産が相続発生時までに値下がりしていた場合でも、相続税の計算には「贈与時の高い評価額」が使われてしまいます。たとえば贈与時に2,500万円だった物件が相続時に1,800万円まで下落していても、2,500万円で加算されるため、結果的に損をすることになります。将来の価値が不透明な不動産、老朽化が進む建物などについては、贈与のタイミングと資産価値の見通しを慎重に検討する必要があります。

これらを整理すると、制度の注意点は以下のとおりです。

注意点内容
制度選択の不可逆性一度選ぶと同じ贈与者との間では暦年課税に戻せない
申告義務の継続年110万円超の贈与は毎回申告が必要。漏れると20%課税+追徴課税の可能性
相続優遇の制限小規模宅地等の特例(最大80%減額)が使えなくなる
追加コストの発生登録免許税2%+不動産取得税で、相続よりコスト高
値下がりリスク贈与後に値下がりしても贈与時の評価額で相続税に加算される
ご注意
これらのリスクは、不動産の種類(自宅・収益物件・空き家)、評価額、家族構成、相続財産の総額によって影響の大きさが変わります。制度を選択する前に、税理士等の専門家に相続税のシミュレーションを依頼し、「生前贈与した場合」と「相続まで待った場合」の税負担・コストを比較検討することを強くおすすめします。

不動産贈与の具体的シミュレーション(数字でわかる制度の効果)

制度の仕組みを理解したところで、具体的な数字を使ったシミュレーションで効果をイメージしてみましょう。※以下は制度の仕組みを理解するための簡略化した例です。実際の税額は財産全体の状況や各種控除によって変わりますので、正確な計算は必ず税理士にご相談ください。

ケース1:評価額2,400万円の実家を生前贈与する場合

父(65歳)から長男(35歳)へ、評価額2,400万円の実家(父は住み替え済み)を贈与するケースです。相続時精算課税制度を選択すれば、2,400万円は特別控除2,500万円の枠内に収まるため、贈与時の贈与税はゼロです。もし暦年課税のまま同じ贈与を行うと、贈与税は約800万円(特例税率適用の場合)にもなります。贈与時点での税負担の差は歴然です。ただし、相続発生時にはこの2,400万円が相続財産に加算され、相続税の課税対象になる点は忘れてはいけません。

ケース2:値上がりする土地を早めに贈与した場合

贈与時の評価額2,000万円の土地が、10年後の相続発生時に3,000万円へ値上がりしていたケースを考えます。相続時精算課税制度で贈与していれば、相続税の計算に加算されるのは贈与時の2,000万円のみ。値上がり分の1,000万円は課税対象から外れます。相続税の税率が仮に20%の区分に該当する場合、単純計算で約200万円の相続税を節税できたことになります。逆に値下がりした場合は不利になるため、対象不動産の将来性の見極めが重要です。

ケース3:年110万円の基礎控除をコツコツ活用する場合

母(70歳)から長女へ、相続時精算課税制度の基礎控除を使って毎年110万円ずつ10年間贈与すると、合計1,100万円が贈与税ゼロ・申告不要で移転でき、しかもこの1,100万円は相続財産に一切加算されません。相続税の税率が15%の区分なら約165万円、20%の区分なら約220万円の節税効果です。暦年贈与と違って相続開始前7年分の持ち戻しがないため、確実に節税効果が積み上がるのがポイントです。

ケース制度活用の効果注意点
実家2,400万円の一括贈与贈与税ゼロで早期に名義移転(暦年課税なら約800万円)相続時に2,400万円が加算。登記コストは相続より高い
値上がり土地の早期贈与値上がり分1,000万円が課税対象外に値下がりした場合は逆効果
年110万円×10年の贈与1,100万円が完全に非課税・加算なし110万円超の年は申告が必要

制度の利用が向いているケース・向いていないケース

ここまで見てきたメリット・デメリットを踏まえると、相続時精算課税制度の向き・不向きは次のように整理できます。ご自身の状況と照らし合わせて確認してみてください。

向いているケース

①将来値上がりが見込まれる不動産(再開発エリアの土地、駅近マンションなど)を持っている、②賃貸アパートなど収益物件があり家賃収入を子供世代へ移したい、③相続財産の総額が相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下で、そもそも相続税がかからない見込みのご家庭(この場合、精算時の税負担なくまとまった財産を早期移転できます)、④高齢の親から今からでも確実な生前贈与を始めたい、⑤生前に財産分けを明確にして相続争いを防ぎたい——といったケースでは、制度のメリットを最大限に活かせます。

向いていないケース

一方、①実家の土地に小規模宅地等の特例(最大80%減額)を使える見込みが高い、②贈与対象の不動産が将来値下がりしそう、③今後も暦年贈与で長期間コツコツ贈与していく余裕がある、④相続財産が多く、特例や各種控除を組み合わせた総合的な相続税対策を検討すべき——といったケースでは、安易に相続時精算課税制度を選ぶと不利になる可能性があります。特に①の小規模宅地等の特例は減額効果が非常に大きいため、実家の相続を控えている方は必ず事前に確認しましょう。

判断ポイント向いている向いていない
不動産の将来価値値上がりが見込まれる値下がりのおそれがある
不動産の種類収益物件・値上がり期待の土地小規模宅地等の特例が使える自宅の土地
相続財産の総額基礎控除以下の見込み相続税が高額になる見込み(総合対策が必要)
贈与の期間短期間でまとめて移転したい長期間の暦年贈与が可能

相続時精算課税制度の手続き

具体的な手続き方法(子供世代が準備すべきステップ)

相続時精算課税制度を利用するには、期限内に正しい手続きを行うことが絶対条件です。手続きの流れを順番に確認していきましょう。

ステップ1:贈与契約と財産の移転(不動産は登記も忘れずに)

まず、贈与者と受贈者の間で贈与の合意を行います。後日のトラブルや税務調査に備え、贈与契約書を作成しておくことを強くおすすめします。不動産の贈与の場合は、法務局での所有権移転登記(名義変更)も必要です。登記には登記申請書のほか、固定資産評価証明書、贈与者の権利証(登記識別情報)、印鑑証明書などが必要となり、司法書士に依頼するのが一般的です。

ステップ2:「相続時精算課税選択届出書」を期限内に提出する

制度の適用を受けるには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間(贈与税の申告期間内)に、「相続時精算課税選択届出書」を受贈者の住所地を管轄する税務署へ提出しなければなりません。原則として最初の贈与税申告書に添付して提出します。この期限を1日でも過ぎると制度の適用を受けられず、自動的に暦年課税で高額な贈与税が課されてしまうため、スケジュール管理は厳重に行ってください。

ステップ3:必要書類をそろえる

提出にあたって準備すべき代表的な書類は以下のとおりです。

書類内容
相続時精算課税選択届出書制度を選択する旨を記載する正式な届出書(国税庁サイトから入手可能)
受贈者の戸籍謄本または抄本受贈者の氏名・生年月日、贈与者との続柄(子・孫であること)を証明する
贈与税の申告書110万円の基礎控除を超える贈与があった場合に作成・提出
財産の評価資料不動産の場合は固定資産評価証明書、登記事項証明書など評価額の根拠資料

ステップ4:提出方法を選ぶ(窓口・郵送・e-Tax)

提出方法には3つの選択肢があります。①税務署の窓口へ直接持参する方法、②郵送による提出、③電子申告システム(e-Tax)の活用です。e-Taxでは添付書類の多くをイメージデータ(PDF等)で提出できますが、「相続時精算課税選択届出書」など一部の帳票はXML形式の電子データでの提出が求められ、イメージデータでは受け付けられない場合があるため注意が必要です。初めての方や不動産の評価が絡む申告は、税理士に依頼するのが確実です。

POINT
2年目以降も、年間110万円を超える贈与を受けた年は贈与税の申告が必要です(届出書の再提出は不要)。110万円以内の年は申告不要ですが、贈与の記録(契約書・振込記録など)は必ず残しておきましょう。将来の相続税申告や税務調査の際の重要な証拠になります。

よくある質問(Q&A)

父からの贈与は相続時精算課税、母からの贈与は暦年課税というように使い分けできますか?

はい、可能です。相続時精算課税制度は贈与者ごとに選択する仕組みのため、父からの贈与についてのみ制度を選択し、母からの贈与は暦年課税のまま年110万円の暦年贈与を続ける、といった組み合わせができます。両親それぞれの財産構成に応じて最適な方式を選びましょう。

贈与を受けた不動産を、後から売却することはできますか?

はい、贈与を受けて名義が受贈者に移った不動産は、受贈者の判断で自由に売却できます。ただし、売却時には譲渡所得税の検討が必要で、取得費は贈与者の取得費を引き継ぎます。相続した実家や贈与を受けた不動産の売却をお考えの場合は、税金面も含めてハルソラ不動産にお気軽にご相談ください。

2,500万円の特別控除を使い切った後の贈与はどうなりますか?

特別控除2,500万円を超えた部分には、一律20%の贈与税が課されます。ただしこの贈与税は「前払い」の性格を持ち、相続時に計算した相続税額から控除され、相続税より多く払っていた場合は還付されます。なお、年間110万円の基礎控除分はこの累計に含まれません。

贈与者が亡くなった場合、贈与された財産の手続きはどうなりますか?

相続時精算課税制度で贈与を受けた財産(基礎控除分を除く)は、贈与時の評価額で相続財産に加算して相続税を計算します。相続税の申告は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。過去の贈与の記録や申告書の控えが必要になるため、書類は大切に保管しておきましょう。

相続税がかからない家庭でも、この制度を使う意味はありますか?

はい、あります。相続財産の総額が相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば、贈与財産を加算しても相続税はかかりません。つまり、贈与税も相続税も負担せずに、まとまった財産を早期に子供世代へ移転できることになります。マイホーム資金の援助などで活用されるケースが多くあります。

まとめ|不動産の相続・生前贈与は専門家への相談が安心

相続時精算課税制度は、累計2,500万円の特別控除によって不動産や現金を早期に受け取れること、値上がりが見込まれる資産の評価額を贈与時点で確定できること、そして2024年改正で新設された年間110万円の基礎控除(持ち戻しなし)を活用できることなど、子供世代にとって多くのメリットがある生前贈与・相続税対策の制度です。

しかしその一方で、一度選択すると暦年課税へ戻せない不可逆性、小規模宅地等の特例が使えなくなるリスク、登録免許税・不動産取得税の負担増、贈与財産の値下がりリスクなど、注意すべき点も多くあります。特に不動産の生前贈与では、これらのデメリットが税負担に大きく影響するため、「贈与した場合」と「相続まで待った場合」を数字で比較したうえで判断することが重要です。

手続き面では、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに「相続時精算課税選択届出書」を税務署へ提出するという期限を厳守し、必要書類を漏れなくそろえて申告することが求められます。制度の特徴と手続きの流れを正しく理解し、税理士などの専門家の力も借りながら、ご自身とご家族に合った資産承継の方法を選ぶことが、円満で安心な不動産相続への近道です。

ハルソラ不動産では、守口市・寝屋川市を中心に、相続した不動産の売却・買取のご相談を数多くお受けしています。「相続した実家をどうすればいいか分からない」「生前贈与を受けた不動産の価値を知りたい」「空き家のまま固定資産税を払い続けている」——そんなお悩みをお持ちの方は、無料査定・無料相談をぜひご活用ください。

お問い合わせはこちら

守口市・寝屋川市 不動産売却・買取

売主様第一主義」の
守口市・寝屋川市不動産買取売却センター

はじめまして。ハルソラ不動産の紺屋嶋(こやじま)と申します。不動産会社での売却実務経験を経て、「会社都合ではなく、売主様に本当に寄り添いたい」という想いでハルソラ不動産を立ち上げました。

宅建協会の役員を兼務し、行政の不動産相談にも携わっております。「相続した実家をどうすれば良いか」「空き家のまま固定資産税だけ払い続けている」「まず査定価格だけ知りたい」など、どんなご状況でも、守口市・寝屋川市の不動産売却・買取のことはお気軽にご相談ください。

選ばれる3つの理由

理由 01

地域密着の
売主様目線の提案

守口市・寝屋川市エリアに精通した担当者が、売主様の立場に立った査定・売却プランをご提案します。

理由 02

宅建協会役員・
行政相談員の知見

豊富な知見を活かし、適正価格での売却を全力でサポートします。

理由 03

無料査定から
一貫サポート

ご相談のみでも大歓迎。売却完了まで担当者が一貫して丁寧に対応いたします。

✦ 無料・無理な営業なし ✦

まずはお気軽に
守口市・寝屋川市の不動産売却をご相談を

査定や売却のご相談をしたからといって、無理な営業は一切いたしません。
大切な不動産の資産価値を知ることから始めてみませんか?

査定・相談は完全無料。強引な営業は一切ありません。

対応エリアから不動産売却情報を見る 各エリアの売却・買取情報ページへリンクします

”守口・寝屋川不動産相続”おすすめ記事

  • マンション管理の管理料は適正か?売却方法や活用相談を相談無料で解説の画像

    マンション管理の管理料は適正か?売却方法や活用相談を相談無料で解説

    守口・寝屋川不動産相続

  • 不動産の相続と贈与の違いは?税金や相続税のかかる財産税率控除まで解説の画像

    不動産の相続と贈与の違いは?税金や相続税のかかる財産税率控除まで解説

    守口・寝屋川不動産相続

  • 相続登記義務化で何が変わる?スマート変更登記の手続きや費用も解説の画像

    相続登記義務化で何が変わる?スマート変更登記の手続きや費用も解説

    守口・寝屋川不動産相続

  • 利用しない事業用不動産の相続税対策は?売却と賃貸活用で家族が検討すべきポイントの画像

    利用しない事業用不動産の相続税対策は?売却と賃貸活用で家族が検討すべきポイント

    守口・寝屋川不動産相続

  • 収益マンションの事業継承は大丈夫?手続きと税金管理の注意点を解説の画像

    収益マンションの事業継承は大丈夫?手続きと税金管理の注意点を解説

    守口・寝屋川不動産相続

  • 不動産相続で相続人の割合はどう決まる?揉めない為にできる準備と遺産分割協議の進め方の画像

    不動産相続で相続人の割合はどう決まる?揉めない為にできる準備と遺産分割協議の進め方

    守口・寝屋川不動産相続

もっと見る