
不動産相続が発生し、ご兄弟やご姉妹で「共有名義」として実家や土地を受け継ぐケースは、決して珍しいことではありません。国土交通省の調査でも、相続をきっかけに共有名義となった不動産は年々増加傾向にあり、「とりあえず共有にしておいた」まま数年が経過してしまっている、というご相談を当社でも数多くいただいております。
しかし、いざ共有名義の不動産を売却しようと考えたとき、「兄弟全員の同意は必要なのか」「相続登記はいつまでに済ませるべきか」「売却でかかる譲渡所得税は誰がどう負担するのか」「3,000万円特別控除は共有名義でも使えるのか」など、次々と疑問や不安が出てくるものです。共有名義の不動産売却は、単独名義の売却と比べて手続き・費用・税金のすべてにおいて注意点が多く、正しい知識がないまま進めると、兄弟間のトラブルや余計な税負担につながりかねません。
本記事では、共有名義で相続した不動産を売却する際に直面しやすいデメリットから、相続登記や測量などの手続きと費用、譲渡所得税・住民税の計算と負担の分配方法、さらに共有名義だからこそ活用できる節税の特例、売却方法の選択肢、売却の流れ、よくあるご質問まで、不動産売却の実務に基づいて分かりやすく徹底解説します。これから相続を迎えるご兄弟にとっても、すでに共有名義でお困りの方にとっても、役立つ知識をお伝えいたします。
守口市・寝屋川市を中心に、大阪府北河内エリア(枚方市、交野市、大東市、門真市、四條畷市)全域で相続不動産・共有名義の不動産を所有していらっしゃる方は、ぜひ不動産売却・買取の参考にしてみてください。
共有名義で相続した不動産の売却時に直面しやすい基本的なデメリット
① 名義人(共有者)全員の同意がなければ売却できない
共有名義で相続した不動産を売却する際に、まず最も注意すべき点は、名義人全員の同意が不可欠であることです。民法第251条では、共有物の「変更(処分を含む)」について共有者全員の同意が必要と定められており、たとえ仲の良い兄弟姉妹間であっても、一人でも反対者がいれば不動産全体の売却を進めることはできません。持分割合が9対1のように偏っていたとしても、多数決で決められるものではない、という点が共有名義の大きな特徴です。
さらに、売却活動の途中でも全員の関与が求められます。売買契約書への署名・捺印、決済・引き渡しへの立ち会い(または委任状の準備)、価格変更の判断など、すべての場面で共有者間の合意形成が必要です。共有者の一人が遠方に住んでいる、海外に居住している、連絡が取りにくいといった事情があると、売却のスケジュールが大幅に遅れる原因になります。
② 相続を重ねるごとに権利関係が複雑化していく
次に、共有状態を放置することで、相続が重なるたびに共有者が増加し、権利関係が複雑化・混乱するリスクがあります。たとえば兄弟3人で相続した不動産について、そのうちの一人が亡くなると、その持分はさらにその配偶者や子どもたちへ相続されます(これを「数次相続」といいます)。世代交代が2回、3回と進むうちに、いつしか会ったこともない、顔の分からない共有者が十数人存在する状態になってしまうことも実際にあります。
共有者が増えれば増えるほど、全員の同意を取り付けるハードルは飛躍的に高くなります。「売りたくても売れない不動産」「誰も管理しない空き家」が生まれる最大の原因が、この共有名義の放置です。所有者不明土地問題の深刻化を受けて、2024年4月からは相続登記が義務化されるなど、国としても共有状態の放置に対する対策を強化しています。
③ 管理・維持の負担が特定の共有者に偏りやすい
さらに、管理や維持の負担に関しても共有名義特有の問題があります。固定資産税の納付、庭木の剪定や草刈り、建物の修繕、近隣への対応など、不動産の維持管理には手間と費用が継続的にかかります。たとえば守口市や寝屋川市など物件の近隣に住む一人が管理全般を担い、遠方に住む他の共有者が費用負担に消極的だと、共有者間で不公平感や摩擦が生じやすくなります。
また、固定資産税は共有者全員の連帯納付義務とされていますが、実務上は代表者一人に納付書が届くため、「立て替えたのに精算してもらえない」というトラブルも少なくありません。空き家のまま放置すれば、特定空家に指定されて固定資産税の軽減措置が外れるリスクもあり、共有名義の不動産は「持っているだけでコストと責任が発生する資産」であることを認識しておく必要があります。
④ 共有持分だけを勝手に売却されるリスクがある
意外と知られていませんが、不動産「全体」の売却には全員の同意が必要である一方、自分の共有持分だけであれば、他の共有者の同意なく単独で売却できます。もし共有者の一人が資金繰りなどの事情から持分を専門の買取業者に売却してしまうと、見ず知らずの第三者(業者)が共有者として加わることになり、共有物分割請求を起こされるなど、残された共有者が対応に追われるケースがあります。共有名義を放置することは、こうしたリスクを抱え続けることでもあるのです。
以下に、共有名義の主なデメリットを整理した表を示します。
| 主なデメリット | 内容 | 具体的な影響 |
|---|---|---|
| 同意の必要性 | 処分(売却)には共有者全員の合意が必須 | 一人でも反対すると不動産全体の売却は不可 |
| 権利関係の複雑化 | 数次相続により共有者がねずみ算式に増加 | 意思決定や手続きが困難になり、売れない不動産化 |
| 管理負担の不公平 | 固定資産税・修繕・草刈りなどが特定の共有者に集中 | 共有者間の不満や摩擦、兄弟トラブルを誘発 |
| 持分単独売却のリスク | 持分のみは同意なしで第三者へ売却可能 | 見知らぬ業者が共有者となり紛争化するおそれ |
| 活用の自由度が低い | 賃貸(長期)や大規模リフォームにも同意が必要 | 資産としての活用機会を逃しやすい |
共有名義で売却する場合にかかる手続き上の負担と費用(相続登記・測量・司法書士報酬など)
① 相続登記は法律で義務化|放置すると過料の対象に
共有名義で売却を進める際には、さまざまな手続きと費用負担が発生します。まず大前提として、相続した不動産を売却するには、亡くなった方(被相続人)名義のままでは売却できず、相続登記(名義変更)を済ませておく必要があります。この相続登記は2024年4月1日から法律により義務化されており、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料の対象になるおそれがあります。義務化以前に相続した不動産も対象となるため、「昔相続したまま登記していない実家」がある方は特に注意が必要です。
相続登記にあたっては、不動産の固定資産税評価額に対して登録免許税(評価額×0.4%)が課税され、それを共有者各自が持分割合に応じて負担するのが一般的です。たとえば固定資産税評価額2,000万円の実家なら、登録免許税は8万円。兄弟2人で2分の1ずつの共有なら、各4万円ずつの負担となります。
② 相続登記に必要な書類と取得費用
相続登記には多くの書類が必要です。代表的なものとして、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本・住民票、固定資産評価証明書、そして遺言書がない場合は遺産分割協議書(相続人全員の実印押印+印鑑証明書)が挙げられます。これらの取得には1通あたり数百円〜数千円程度の手数料がかかり、相続人の人数や本籍地の移転回数によっては、書類収集だけで数週間かかることもあります。
③ 測量・境界確定|土地の売却では特に重要
次に、土地を対象にする場合は、隣地との境界を明確にする境界確定測量や、土地を分けて売る場合の分筆登記が必要となることがあります。特に守口市・寝屋川市のような市街地では、古くからの住宅地で境界標が失われているケースも多く、買主側から境界確定を求められることが一般的です。確定測量の費用は土地の形状・広さ・隣接地の数(官民境界の有無)に応じて変動し、一般的な戸建て用地で40万円〜80万円程度、官有地(道路・水路)との境界確定が絡むと高額になるケースもありますのでご留意ください。
④ 司法書士報酬・印紙税・仲介手数料
登記申請を専門家に依頼する場合、司法書士への報酬(5万円〜15万円程度)が発生します。ただし、法務局に相談しながらご自身で進めることも可能で、その場合は報酬は不要です。もっとも、共有名義の相続登記は関係者が多く書類も複雑になりがちなため、売却スケジュールが決まっている場合は専門家への依頼をおすすめします。
さらに、売却時には売買契約書に貼付する印紙税も必要です。契約金額に応じて印紙税の額が変動し、たとえば売買代金が1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円(軽減措置適用時)が目安となります。また、不動産会社に仲介を依頼して売却する場合は、成約時に仲介手数料(売買価格400万円超の場合:売買価格×3%+6万円+消費税が上限)がかかります。これも通常は持分割合に応じて各共有者が負担します。
| 項目 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 相続登記(登録免許税) | 固定資産税評価額×0.4%を持分按分 | 評価額により数万円〜数十万円 |
| 司法書士報酬 | 相続登記の申請を依頼する場合 | 約5万〜15万円程度 |
| 測量・分筆費用 | 境界確定測量や分筆登記(土地家屋調査士) | 約40万〜80万円程度(土地の状況で変動) |
| 印紙税 | 売買契約書に課される税金 | 例:1,000万円超5,000万円以下で1万円(軽減後) |
| 書類取得手数料 | 戸籍謄本・住民票・評価証明書など | 合計で数千円〜1万円程度 |
| 仲介手数料 | 不動産会社への成功報酬(成約時のみ) | 売買価格×3%+6万円+消費税(上限) |
このように、共有名義の不動産売却には相続登記や測量、司法書士報酬、印紙税、各種書類の取得費、仲介手数料など、多くの手続きと費用負担が伴います。どの費用を誰がどの割合で負担するのかを事前に共有者間で取り決めておくことが、兄弟間トラブルを防ぐ第一歩です。それぞれの費用がどの段階でかかるのかを把握して、計画的に売却準備を進めることが大切です。
共有名義の不動産を売る際にかかる税金とその計算・負担の分配方法
① 譲渡所得税・住民税の基本|所有期間で税率が大きく変わる
共有名義の不動産を売却して利益(譲渡所得)が出ると、まず発生するのが譲渡所得税と住民税です。不動産の所有期間が売却した年の1月1日時点で5年以下の場合は「短期譲渡所得」として所得税30%+住民税9%に加えて復興特別所得税0.63%(合計39.63%)が課されます。5年を超えると「長期譲渡所得」となり、所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%(合計20.315%)の税率が適用されます。
ここで重要なのが、相続で取得した不動産は、被相続人(亡くなった方)の取得日と取得費を引き継ぐという点です。たとえば親が30年前に購入した実家を相続してすぐに売却しても、所有期間は30年超とカウントされるため、有利な長期譲渡所得の税率が適用されます。この「取得日の引き継ぎ」を知らずに「相続してすぐ売ると税金が高い」と誤解されている方が多いので、ぜひ覚えておいてください。
② 譲渡所得の計算式と「取得費が分からない」場合の扱い
譲渡所得は次の計算式で求めます。「譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)」。取得費とは被相続人が購入した際の代金や購入諸費用(建物は減価償却後)、譲渡費用とは仲介手数料や印紙税、測量費など売却のために直接かかった費用です。
相続した古い実家では「親がいくらで買ったのか分からない」「売買契約書が見つからない」というケースが非常に多くあります。取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算することになりますが、この場合は譲渡所得が大きく膨らみ、税負担が重くなりがちです。実家の権利証や購入時の契約書・領収書は、売却前に必ず探しておきましょう。
③ 共有名義では「持分割合で按分」し「各自が確定申告」
共有名義の不動産売却で最も重要なルールは、売却による利益(譲渡所得)を共有者それぞれの持分割合に応じて按分し、それぞれが個別に確定申告を行うという点です。売却代金を代表者がまとめて受け取り、後から分配する形にしてしまうと、贈与とみなされて贈与税が課されるリスクがあるため、売買契約・代金受領・税務申告のすべてを持分どおりに行うことが原則です。
共有名義の不動産を売却する際には、譲渡所得税以外にも以下のような税金が発生します。
| 税金の種類 | 課税される場面 | 負担の傾向 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 売買契約時 | 売買金額に応じて200円〜48万円程度。軽減措置により半額程度となることもあります。 |
| 登録免許税 | 所有権移転登記や抵当権抹消時 | 買主負担が慣例の移転登記は土地1.5%、建物0.3%(軽減税率適用時)。売主負担の抵当権抹消は不動産一件あたり1,000円程度。 |
| 譲渡所得税・住民税 | 売却益(譲渡所得)に対して | 所有期間に応じた税率を譲渡所得に適用し、各共有者が持分割合に応じて負担。 |
④ 具体例で見る税額シミュレーション
たとえば譲渡所得が共有全体で2,400万円で、兄弟3人の持分が各3分の1の場合、それぞれ800万円が各自の譲渡所得となります。そのうえで長期譲渡所得が適用されれば、各人の所得税(復興特別所得税込み)は800万円×15.315%=約122万円、住民税は800万円×5%=40万円、一人あたり合計約162万円程度となります。3人合計では約486万円ですが、後述する3,000万円特別控除が使えれば、この税額をゼロにできる可能性もあります。
確定申告は、売却した年の翌年2月16日〜3月15日の期間に、共有者それぞれが自分の住所地の税務署へ行います。「代表者がまとめて申告すればよい」わけではない点にご注意ください。申告を忘れると無申告加算税や延滞税が課されるため、売却したら翌年の確定申告まで必ずセットで考えておきましょう。

共有名義だからこそ活用できる節税の特例と注意点(3,000万円特別控除・空き家特例)
① 居住用財産の3,000万円特別控除は「共有者一人につき最高3,000万円」
相続した不動産を共有名義で売却する場合、「居住用財産の3,000万円特別控除」が非常に有効な節税手段になります。この制度は、マイホーム(居住用財産)を売却した際に、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるもので、共有名義の場合は要件を満たす共有者一人につき最高3,000万円まで控除が可能です。つまり、たとえば実際に居住していた兄弟2人の共有なら、最大で合計6,000万円分の譲渡所得を非課税にできる計算になります。持分に応じて譲渡利益を分け、その後それぞれが確定申告を行うことで控除を適用できます。控除の結果、納税額がゼロになる場合でも確定申告自体は必要であり、申告は共有者一人ひとりが行わなければなりませんのでご注意ください。
② 相続した空き家に使える「空き家の3,000万円特別控除(空き家特例)」
「相続した実家には誰も住んでいなかった」という場合でも、あきらめる必要はありません。被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(通称:空き家特例)を使える可能性があります。これは、亡くなった方が一人で住んでいた家(昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震の家屋が対象)を相続し、一定の要件(耐震リフォームを行うか、更地にして売却する、または買主が翌年2月15日までに耐震改修・取壊しを行う等)を満たして売却した場合に、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。
この空き家特例も共有名義で適用可能で、要件を満たす相続人それぞれが控除を受けられます。ただし、2024年1月1日以降の売却では、相続人が3人以上いる場合の控除額は一人あたり最高2,000万円に引き下げられている点、売却代金が1億円以下であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することなど、細かな適用要件がある点にご注意ください。
③ 相続税を納めた方は「取得費加算の特例」も検討
相続税を納付した方が、相続開始から3年10ヶ月以内(相続税の申告期限の翌日から3年以内)に相続した不動産を売却した場合、納めた相続税のうち一定額を取得費に加算できる「取得費加算の特例」も利用できます。取得費が増えれば譲渡所得が圧縮され、譲渡所得税の負担を軽減できます。なお、空き家特例と取得費加算の特例は併用できないため、どちらが有利かの試算が重要です。
| 特例名 | 適用条件(概要) | 共有名義での留意点 |
|---|---|---|
| 居住用財産の3,000万円特別控除 | 実際の居住実態、過去2年以内の同特例の適用がないこと、親族間取引でないことなど | 要件を満たす名義人ごとに最大3,000万円控除可能。確定申告は個別に必要 |
| 被相続人の居住用財産(空き家)の特例 | 昭和56年5月31日以前建築、被相続人が一人暮らし、耐震改修または取壊し、売却代金1億円以下など | 共有名義でも各相続人が適用可能。相続人3人以上は一人2,000万円に減額(2024年以降) |
| 取得費加算の特例 | 相続税を納付し、相続開始から3年10ヶ月以内に売却 | 各共有者が納付した相続税に応じて適用。空き家特例とは併用不可 |
| 譲渡損失の損益通算・繰越控除 | 一定の要件下で売却損が出た場合、他の所得と相殺し翌年以降3年間繰越控除 | 共有関係でも持分に応じて利用可能 |
④ 特例適用の注意点|「居住実態」と「建物・土地の名義」がカギ
ただし、3,000万円特別控除を受けるには、共有名義のそれぞれの名義人が「実際にその家に居住していた」などの要件を満たしている必要があります。たとえば、共有名義といっても実際には住んでいない兄弟がいる場合、その方は居住用財産の特別控除を受けられません(空き家特例の検討に切り替えます)。住民票を移しているだけで実際に住んでいない場合も適用は認められないため、居住実態を証明できる住民票の履歴や光熱費の記録、郵便物などを準備しておくことが大切です。
さらに、建物と土地の共有名義が分かれているケースでは特に注意が必要です。3,000万円特別控除は原則として「家屋」の所有者に適用される制度のため、建物と土地がそれぞれ共有名義か、どちらかだけ共有かによって控除の適用範囲に違いが生じます。建物部分の持分でのみ控除が認められるケースや、建物所有者と土地所有者が生計を一にしている場合に限り土地部分にも控除の余りを使えるケースなど、判断が分かれる論点が多いため、売却前に税理士や不動産の専門家へ確認することが重要です。
共有名義の不動産を売却する4つの方法と選び方
共有名義の不動産を現金化・整理する方法は、実は「全員で売る」だけではありません。共有者間の関係性やご事情に応じて、主に次の4つの方法から選ぶことになります。
① 共有者全員で不動産全体を売却する(最もおすすめ)
共有者全員の同意のもと、不動産全体を第三者へ売却し、売却代金を持分割合に応じて分配する方法です。市場価格(相場どおりの価格)で売却できるため、経済的に最も有利な方法であり、共有関係も完全に解消できます。兄弟間で売却の方向性が一致しているなら、この方法が第一の選択肢です。
② 自分の共有持分を他の共有者に売却する(持分買取)
「兄は実家に住み続けたい、弟は現金化したい」というように意向が分かれる場合は、住み続けたい共有者が他の共有者の持分を買い取る方法があります。不動産を手放さずに共有関係を解消でき、親族間で完結するためトラブルになりにくいのがメリットです。ただし、買取価格が時価より著しく低いと贈与税の問題が生じるため、適正な査定価格に基づいて取引することが重要です。
③ 自分の共有持分のみを第三者(買取業者)に売却する
他の共有者が売却に反対している場合でも、自分の持分だけであれば単独で売却可能です。ただし、共有持分のみを買うのは実質的に専門の買取業者に限られ、売却価格は市場価格の持分相当額から大きく割り引かれる(5〜7割程度になることも)のが実情です。また、業者が共有者に加わることで残る家族との関係が悪化するリスクもあるため、最終手段と考えるべき方法です。
④ 土地を分筆してそれぞれ単独名義で売却・活用する
広い土地であれば、持分割合に応じて土地を物理的に分割(分筆)し、それぞれが単独名義の土地として売却・活用する方法もあります。共有関係を解消しつつ各自が自由に処分できるようになりますが、測量・分筆費用がかかること、分け方によって土地の価値に差が出やすいこと、建築基準法上の接道要件を満たす分け方が必要なことなど、専門的な検討が不可欠です。
| 売却方法 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| ①全体を全員で売却 | 市場価格で売れて経済的に最も有利。共有関係も解消 | 共有者全員の同意・協力が必須 |
| ②持分を共有者へ売却 | 親族間で完結し、不動産を残せる | 買取資金が必要。価格設定を誤ると贈与税リスク |
| ③持分を業者へ売却 | 単独で実行でき、早く現金化できる | 売却価格が大幅に安くなる。他の共有者との関係悪化リスク |
| ④分筆して単独名義化 | 各自が自由に売却・活用できる | 測量・分筆費用が発生。土地の条件により不可能な場合も |
どの方法が最適かは、不動産の立地・形状・価値、共有者間の関係性、資金事情によって変わります。守口市・寝屋川市・枚方市など北河内エリアの不動産であれば、地域相場を熟知した当社が無料査定のうえで、それぞれの方法の手取り額シミュレーションを含めてご提案いたします。
共有名義の不動産売却の流れと兄弟間トラブルを防ぐポイント
共有名義の不動産売却は、一般の売却よりも「事前準備」と「共有者間の合意形成」に時間がかかります。全体の流れをあらかじめ把握しておくことで、スムーズに進めることができます。
- 共有者全員で売却の方針を話し合う|売却するか否か、希望価格の下限、費用負担、スケジュールなどの基本方針を最初に共有します。ここでの合意が曖昧なまま進めると、後の段階で必ずつまずきます。
- 相続登記(名義変更)を完了させる|遺産分割協議書を作成し、被相続人名義から相続人の共有名義へ登記します。相続登記義務化により3年以内の登記が必要です。
- 不動産会社へ査定を依頼する|地域の相場に精通した不動産会社に無料査定を依頼し、売却予想価格と各共有者の手取り額の目安を把握します。
- 媒介契約を締結し売却活動を開始する|媒介契約は共有者全員(または代理権を委任された代表者)が締結します。委任状を活用すれば、遠方の共有者の負担を減らせます。
- 売買契約の締結|買主が決まったら、共有者全員が売買契約書に署名・捺印します。印鑑証明書や本人確認書類も全員分が必要です。
- 決済・引き渡し・代金の分配|残代金の受領と同時に所有権移転登記を行い、売却代金は持分割合どおりに各共有者の口座へ分配します。
- 翌年に各自が確定申告|譲渡所得が出た場合(特例適用でゼロになる場合も含む)、共有者それぞれが確定申告を行います。
兄弟間トラブルを防ぐ3つのポイント
第一に、「お金の話」を最初に決めておくこと。売却価格の下限、測量費や登記費用などの負担割合、売却代金の分配方法を、売却活動を始める前に書面(合意書)で残しておくと安心です。第二に、窓口を一本化すること。不動産会社とのやり取りは代表者一人に集約し、重要な判断のみ全員で協議する形にすると、意思決定がスムーズになります。第三に、中立的な第三者(不動産会社・税理士)を早めに入れること。兄弟だけで話し合うと感情的になりがちな場面でも、専門家が査定根拠や税金の試算といった客観的な数字を示すことで、冷静な合意形成がしやすくなります。
共有名義の不動産売却でよくあるご質問(Q&A)
兄弟の一人が売却に反対しています。どうすればよいですか?
まずは反対の理由(思い出の実家を残したい、価格に不満がある等)を丁寧に確認し、持分の買取や賃貸活用など代替案を含めて話し合うことをおすすめします。どうしても合意できない場合は、共有物分割請求(協議・調停・訴訟)という法的手段もありますが、時間も費用もかかるため、まずは専門家を交えた話し合いによる解決を目指しましょう。
売却代金を代表者の口座でまとめて受け取ってもいいですか?
おすすめできません。代表者が受領した代金を後から他の共有者へ分配すると、税務上「贈与」とみなされ贈与税が課されるリスクがあります。決済時に持分割合に応じて各共有者の口座へ直接振り込んでもらうのが原則です。
共有者の一人が認知症の場合、売却できますか?
意思能力が失われている共有者がいる場合、そのままでは売買契約を締結できません。家庭裁判所で成年後見人を選任し、後見人が本人に代わって売却手続きを行う必要があります(居住用不動産の場合は家庭裁判所の許可も必要)。手続きに数ヶ月かかるため、早めの準備が肝心です。
遠方に住んでいて決済に立ち会えない共有者がいます。
司法書士による本人確認と委任状の作成により、決済への立ち会いを省略できるケースが一般的です。契約書類の郵送でのやり取りにも対応できますので、共有者が全国に散らばっている場合でもご安心ください。
相続登記がまだですが、査定だけ先にお願いできますか?
もちろん可能です。むしろ、査定価格を把握してから「売却するか」「誰が相続するか」を決める方が、遺産分割協議もスムーズに進みます。守口市・寝屋川市エリアの相続不動産の無料査定は、登記前の段階からお気軽にご相談ください。
まとめ|守口市・寝屋川市の共有名義不動産の売却はハルソラ不動産へ
兄弟などご家族で不動産を共有名義で相続した場合、売却時には共有者全員の合意が求められるため、意見の違いや連絡の手間が障壁となりやすいのが実情です。また、2024年4月から義務化された相続登記をはじめ、測量・境界確定、司法書士への依頼、税務申告などの手続きも複雑化しやすく、それぞれに費用と時間がかかります。売却による利益(譲渡所得)も持分割合に応じて各共有者に税負担が発生し、確定申告は名義人一人ひとりが個別に行う必要があります。
一方で、共有名義だからこそ活用できる「居住用財産の3,000万円特別控除」や「空き家特例」「取得費加算の特例」といった控除・特例もあり、要件を満たせば共有者一人につき最大3,000万円の控除により、税負担を大幅に(場合によってはゼロに)することも可能です。ポイントは、共有者が増えて権利関係が複雑になる前に、早めに方針を決めて動き出すこと。そして、地域の相場と相続・税務の実務に精通した専門家に、早い段階から相談することです。
ハルソラ不動産では、守口市・寝屋川市を中心に、枚方市・交野市・大東市・門真市・四條畷市など大阪府北河内エリア全域で、相続不動産・共有名義不動産の売却・買取のご相談を無料で承っております。「まず査定価格だけ知りたい」「兄弟間の話し合いの材料が欲しい」といった段階でも大歓迎です。今後の円滑な売却と適正な税負担のためにも、ぜひお気軽にご相談ください。




