相続対策として「生前贈与」や「不動産相続」という言葉を耳にする機会が増えていますが、税金や節税について正しく理解できている方は意外と少ないのではないでしょうか。不動産を使った相続対策では、相続税・贈与税の基礎知識と、近年あいついだ税制改正を押さえておくことが何より大切です。本記事では、生前贈与と相続税の仕組み、最新の税制改正のポイント、具体的な節税方法、そして不動産評価にまつわる実践的な知識まで、できるだけ噛み砕いてご説明します。難しそうに見える内容も一つずつ整理していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

守口市・寝屋川市を中心に、大阪府北河内エリア(枚方市・交野市・大東市・門真市・四條畷市)全域で不動産を所有していらっしゃる方は、ご自身の状況に置き換えながら読み進めていただくと、より具体的な相続税対策のイメージがつかめるはずです。

SECTION 01生前贈与と相続税の基本的な仕組みと税制改正の影響

まずは「生前贈与」「贈与税」「生前贈与加算」という3つの言葉の関係を整理します。ここがあいまいなままだと、せっかくの相続税対策が逆効果になることもあります。

生前贈与とは、その名のとおり生きている間に財産をあらかじめ受け渡す方法です。亡くなった後に財産が移る相続とは異なり、贈与した時点での評価額をもとに贈与税が計算されます。財産を早めに次の世代へ動かせるため、計画的に行えば相続財産そのものを圧縮でき、相続税の負担を抑える有力な手段になります。

一方で生前贈与加算とは、贈与者が亡くなった際、一定期間内に行われた贈与を相続財産に「持ち戻し」て相続税の対象とする制度です。亡くなる直前に駆け込みで贈与して相続税を免れる、といった行為を防ぐための仕組みで、課税の公平性を保つ役割を担っています。

生前贈与・贈与税・生前贈与加算の関係
制度内容目的・ねらい
生前贈与生きている間に財産を移転する早期に財産を次世代へ移し、相続財産を圧縮
贈与税贈与を受けた時点で評価し課税無税での資産移転を一定範囲に調整
生前贈与加算一定期間の贈与を相続財産とみなす駆け込み贈与を防ぎ課税の公平性を担保

2023年度(令和5年度)税制改正で「3年→7年」へ

相続税対策に大きな影響を与えたのが、2023年度の税制改正です。これにより、生前贈与加算の対象期間が従来の「相続開始前3年」から「7年」へと段階的に延長されました。具体的には、2024年(令和6年)1月1日以後の贈与から適用が始まり、相続開始が2027年以後のケースから加算対象期間が実質的に伸び始め、2031年1月1日以後の相続では完全に7年間が対象となります。

加算される期間が長くなるということは、それだけ過去の贈与が相続財産に戻されやすくなるということです。つまり、暦年贈与だけに頼った相続税対策の効果は以前より得にくくなり、より早い段階からの計画が重要になりました。

相続開始時期ごとの生前贈与加算の対象期間(イメージ)
相続開始の時期加算の対象となる期間
~2026年12月31日相続開始前3年間
2027年1月1日~2030年12月31日2024年1月1日以降の贈与(3年超~7年未満へ順次拡大)
2031年1月1日以降相続開始前7年間(完全移行)
延長分には「100万円」の緩和措置 延長された4~7年前の贈与については、その総額から100万円を控除できる経過措置が設けられています。これにより延長部分の急な増税負担はやわらげられていますが、多額の贈与を検討する場合は、加算のタイミングを踏まえた設計が欠かせません。

SECTION 02相続税の基礎控除と計算の流れ(早見表つき)

「うちは相続税がかかるの?」という疑問の答えは、まず基礎控除を知ることから始まります。財産が基礎控除の範囲内であれば、相続税はかかりません。

相続税の基礎控除額は、次の式で計算します。3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数。たとえば法定相続人が3人なら、3,000万円+600万円×3=4,800万円までは相続税がかからない、ということになります。不動産は評価額が大きくなりがちなため、自宅と預貯金を合わせると基礎控除を超えてしまうケースは珍しくありません。

法定相続人の数別・基礎控除額の早見表
法定相続人基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円

相続税は「超えた部分」に段階的に課税される

相続財産が基礎控除を超えた場合でも、超えた金額のすべてに高い税率がかかるわけではありません。相続税は、各相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定した金額に、次の速算表の税率を当てはめて計算します。金額が大きくなるほど税率が上がる「超過累進課税」です。

相続税の速算表(法定相続分に応ずる取得金額ごと)
取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

このように、相続税は「財産総額 − 基礎控除」をベースに計算されるため、生前贈与で財産を減らしておくこと、そして後述する不動産の評価減を活用することが、節税の二本柱になります。


SECTION 03節税につながる贈与税の非課税制度の活用法

生前贈与による節税対策の柱が、「暦年贈与」と「相続時精算課税制度」という2つの制度です。それぞれ性格が異なるため、目的や金額の規模に応じて使い分けることが重要です。

暦年贈与と相続時精算課税制度の比較
制度名非課税枠特徴と注意点
暦年贈与
(暦年課税)
年間110万円まで
(受贈者1人ごと)
110万円以下なら申告不要で非課税。複数人へ同時に贈与できる。ただし2024年以降、相続開始前の加算期間が3年から7年へ延長された点に注意。
相続時
精算課税制度
累計2,500万円まで
+毎年110万円
(2024年以降)
まとまった金額の贈与に向く。届出・申告が必要で、一度選ぶと暦年課税には戻れない。対象財産には小規模宅地等の特例が使えない点も要注意。
特例贈与
(目的別)
内容により異なる
(住宅・結婚子育てなど)
目的別に非課税枠が設定されている。要件や適用期限が制度ごとに細かく定められているため、最新情報の確認が必須。

① 暦年贈与 ― コツコツ型の王道

暦年贈与は、1年間(1月1日~12月31日)に贈与を受けた金額が110万円以下であれば贈与税がかからず、申告も不要という制度です。基礎控除は受贈者ごとに適用されるため、たとえば子どもが複数いれば、それぞれに毎年110万円ずつ非課税で贈与できます。長い時間をかければかけるほど、移せる財産は大きくなります。

ただし前述のとおり、2024年以降は相続開始前の贈与が相続税の課税対象となる「生前贈与加算」の期間が3年から7年へ延長されました。「思い立ったらすぐ始める」ことが、暦年贈与を効かせる最大のコツといえます。

② 相続時精算課税制度 ― まとめて渡したい人向け

相続時精算課税制度は、60歳以上の親や祖父母が18歳以上の子や孫へ贈与する場合、累計2,500万円までを非課税で贈与できる制度です。2024年からは、この累計枠とは別に毎年110万円までの基礎控除が新設され、その分は申告不要かつ相続財産にも加算されなくなりました。使い勝手が大きく向上した制度です。

選ぶ前に必ず確認したい注意点 相続時精算課税制度は、一度選択すると同じ贈与者からの贈与について暦年課税には戻れません。また、この制度で贈与した宅地には「小規模宅地等の特例」が使えなくなります。自宅などの不動産を将来この特例で評価減したい場合は、相性が悪くなることがあるため、慎重な判断が必要です。

SECTION 04住宅取得・結婚子育てなど目的別の特例贈与【2026年最新】

使い道を限定する代わりに、まとまった額を非課税にできるのが「目的別の特例贈与」です。ただし、これらは期限や限度額の改正がとても多い分野。2026年時点の最新状況を整理します。

主な目的別の特例贈与(2026年時点)
制度非課税枠適用期限・最新状況
住宅取得等資金
の贈与
省エネ等住宅:1,000万円
一般住宅:500万円
2026年(令和8年)12月31日まで延長。暦年贈与の110万円や相続時精算課税と併用も可能。
結婚・子育て
資金の一括贈与
最大1,000万円
(うち結婚資金は300万円)
2027年(令和9年)3月31日まで延長。残額は相続財産に加算される設計のため、使い切れる範囲での利用が前提。
教育資金の
一括贈与
(旧制度:最大1,500万円) 2026年(令和8年)3月31日で新規受付を終了。既存口座は契約期間まで継続。今後は「都度贈与」等での対応が中心に。

住宅取得等資金の贈与 ― マイホーム資金は最大1,000万円が非課税

父母や祖父母などの直系尊属から、自分が住む家の新築・取得・増改築の資金として贈与を受ける場合、省エネ等住宅(質の高い住宅)なら1,000万円、一般住宅なら500万円までが非課税になります。暦年贈与の110万円や相続時精算課税制度と組み合わせれば、さらに大きな額を無税で移せます。贈与を受けた翌年3月15日までに居住し、贈与税の申告を行うことが要件です。

教育資金・結婚子育て資金は「終了」と「延長」で明暗

2026年度の税制改正では、この2つの一括贈与制度の扱いが分かれました。教育資金の一括贈与(最大1,500万円)は2026年3月31日で新規受付が終了。一方、結婚・子育て資金の一括贈与は2027年3月31日まで延長されています。なお、扶養義務者が必要な都度支払う教育費・生活費は、これらの制度を使わなくてもそもそも贈与税の対象外です。お孫さんの学費などは「都度贈与」で支援する方法も覚えておくと安心です。

これらの制度を効果的に活用するには、贈与の目的・金額・将来の相続の見通しに応じて、どの制度が自分に合うのかを丁寧に見極める必要があります。判断に迷う場合は、信頼できる専門家に相談されることをおすすめいたします。

SECTION 05不動産を活かした評価軽減と小規模宅地等の特例

現金1億円は相続時も1億円ですが、不動産は「評価額」で課税されるため、現金より低く評価されやすい性質を持ちます。これこそが不動産を使った相続税対策の核心です。

相続税を計算するときの不動産の評価は、土地は「路線価方式」建物は「固定資産税評価額」で行います。路線価は一般に公示地価の約8割、建物の固定資産税評価額も実際の建築費より低めに設定されることが多く、結果として不動産の評価額は時価より低く算出されやすいのです。同じ財産でも、現金で持つより不動産で持つほうが相続税評価上は有利になりやすい、というわけです。

財産の種類ごとの相続税評価のイメージ
財産の種類評価の基準時価に対する評価の目安
現金・預貯金残高そのものほぼ100%
土地路線価方式(または倍率方式)おおむね時価の8割程度
建物(自用)固定資産税評価額建築費の5~7割程度
賃貸建物・貸地借家権・借地権を控除さらに低く評価される

最大80%減も ― 小規模宅地等の特例

不動産の相続税対策で最も強力なのが、小規模宅地等の特例です。一定の要件を満たせば、宅地の評価額を大幅に減額できます。下表のとおり、居住用や事業用の宅地なら最大で80%減、貸付用の宅地でも50%減が可能です(それぞれ適用面積に上限あり)。

小規模宅地等の特例の区分
宅地の種類限度面積減額割合
特定居住用宅地等
(自宅など)
330㎡まで80%
特定事業用宅地等
(商店・工場など)
400㎡まで80%
貸付事業用宅地等
(賃貸用地)
200㎡まで50%

たとえば自宅の土地の評価額が5,000万円でも、特定居住用宅地等として80%減が適用できれば、評価額は1,000万円まで圧縮されます。自宅が相続財産の大きな割合を占めるご家庭ほど、この特例の効果は絶大です。


適用には要件があります 小規模宅地等の特例を使うには、相続税の申告書の提出遺産分割の完了、事業用・貸付用宅地では相続税の申告期限までの所有・利用の継続などの条件があります。また、生前贈与で取得した不動産には、この特例は使えません。「贈与で先に渡す」か「相続で受け取り特例を使う」かは、トータルで比較する必要があります。

SECTION 06賃貸不動産・空き家を使った相続税対策

「持っているだけ」の土地や空き家は、相続税の面でも維持費の面でも負担になりがちです。活用次第で評価を下げたり、負担を整理したりできます。

更地より「貸家建付地」のほうが評価は下がる

更地のまま持っている土地は評価額がそのままかかりますが、その上にアパートや賃貸住宅を建てて人に貸すと、土地は「貸家建付地」として評価され、借地権割合・借家権割合・賃貸割合に応じて評価額が下がります。建物自体も賃貸用は自用より低く評価されるため、賃貸経営は土地・建物の両面で評価減につながります。ただし空室が続けば賃貸割合が下がり評価減も小さくなるうえ、そもそも収益が出る立地かどうかの見極めが大前提です。

空き家・実家は「持ち続ける」だけで負担が増えることも

誰も住まなくなった実家や空き家を相続したものの、活用も売却もせずに放置してしまうと、毎年の固定資産税に加え、管理の手間や老朽化のリスクが積み重なります。状態によっては「特定空家等」に指定され、固定資産税の住宅用地の軽減が外れて負担が一気に増えるおそれもあります。相続後の方針として、賃貸に出す・売却する・自分や親族が住むのいずれを選ぶのか、早めに方向性を決めておくことが、結果的に最も無駄のない相続税対策になります。

「相続した不動産を売る」という選択肢も 相続した不動産を一定期間内に売却する場合、要件を満たせば譲渡所得を抑えられる特例が用意されていることがあります。「使う予定がない」「維持費だけがかかっている」という不動産は、相続後の早い段階で査定だけでも受けておくと、選択肢を広く持てます。

SECTION 07守口市・寝屋川市など北河内エリアの不動産相続で押さえたい点

相続税のルールは全国共通ですが、不動産の評価や売却のしやすさは、エリアの事情に大きく左右されます。北河内エリアならではの視点を押さえておきましょう。

守口市・寝屋川市をはじめとする北河内エリア(枚方市・交野市・大東市・門真市・四條畷市)は、大阪市内へのアクセスが良く、戸建てや古くからの住宅地が多いのが特徴です。長くお住まいだったご実家を相続するケースが多く、「相続した実家をどうするか」「空き家のまま固定資産税だけ払い続けている」といったお悩みが少なくありません。

こうした地域では、土地の路線価や形状・接道状況によって評価額が変わるため、正確な不動産評価が相続税対策の出発点になります。評価が下げられる要素(不整形地、間口が狭い、私道に接するなど)を見落とすと、本来より高い相続税を払ってしまうことにもなりかねません。地域の取引事情に精通した不動産会社に相談することで、評価の妥当性や、売却・活用の現実的な選択肢が見えてきます。

  • 相続する不動産のおおよその評価額・市場価格を早めに把握しておく
  • 自宅なら小規模宅地等の特例が使えるか、誰が相続すると有利かを確認する
  • 空き家・遠方の実家は、維持・賃貸・売却のどれを選ぶか方針を決める
  • 遺産分割でもめないよう、不動産を「誰がどう引き継ぐか」を早めに話し合う

SECTION 08相続税の節税シミュレーション例

ここまでの内容を、簡単なモデルケースで体感してみましょう。あくまで仕組みを理解するための概算イメージで、実際の税額は個別の事情で変わります。

【前提】相続人は子2人(基礎控除=3,000万円+600万円×2=4,200万円)。財産は、自宅の土地(路線価評価5,000万円・330㎡以内)、建物1,000万円、現金2,000万円の合計8,000万円とします。

小規模宅地等の特例「あり・なし」の比較(概算)
項目特例なし特例あり(自宅80%減)
自宅の土地5,000万円1,000万円
建物+現金3,000万円3,000万円
課税価格の合計8,000万円4,000万円
基礎控除(子2人)▲4,200万円▲4,200万円
課税遺産総額3,800万円0円
特例を使わない場合
約470万円
相続税の概算(子2人合計)
特例を使った場合
0
基礎控除内におさまり非課税に

このケースでは、小規模宅地等の特例を使うことで自宅の評価が5,000万円から1,000万円に下がり、課税遺産総額が基礎控除の範囲内におさまりました。結果として、約470万円と試算された相続税が0円に。同じ財産でも、制度を知っているかどうかで結果は大きく変わります。

あくまで概算イメージです 実際の相続税は、配偶者の税額軽減、相続人の構成、各種特例の適用要件など多くの要素で変わります。正確な試算と申告は、税理士などの専門家にご相談ください。

SECTION 09制度を正しく理解し、計画的に進めるための基本戦略

最後に、ここまでの制度をどう組み合わせるかという「戦略」の視点で整理します。鍵になるのは、制度の特性の理解と、何より「早めの着手」です。

生前贈与や各種非課税制度を効果的に使うには、まずそれぞれの特性と組み合わせの流れを理解することが大切です。暦年贈与(年110万円まで非課税)相続時精算課税制度(年110万円の基礎控除+累計2,500万円の特別控除)を、用途や目的に応じて使い分けましょう。制度ごとに、申告の要否・加算の有無・対象となる人物が異なります。

注意したいのが、加算期間の延長と申告漏れです。暦年課税では、相続開始前の加算期間が3年から7年へ延長されたため、過去の贈与が相続税に影響する可能性が高まりました。一方、相続時精算課税制度では、年110万円までの贈与については持ち戻しが不要です。申告忘れや制度選択のミスは、節税効果を一気に損ないます。手続きの要件や期限は必ず確認しておきましょう。


制度別の特徴と主な注意点
制度名特徴主な注意点
暦年課税制度年110万円まで非課税。3~7年以内の贈与は相続財産に加算。加算期間の延長で、思わぬ持ち戻しの対象になることがある。
相続時精算課税制度年110万円の基礎控除+累計2,500万円の特別控除あり。一度選ぶと暦年課税に戻せず、申告漏れに注意。
生前贈与加算制度改正により最大7年へ延長(移行措置あり)。適用のタイミングと贈与履歴の把握が必要。

こうした制度を活かすうえで、早めの計画こそが最大の武器です。暦年贈与は年数を重ねるほど効果が大きくなり、不動産の評価減や特例の活用も、事前の準備があってこそ最大化できます。制度を正しく理解し計画的に進めることで、非課税枠を最大限に活用しつつ、想定外の課税を防げます。早い段階から専門家の助言を得ながら、ご自身に合った制度設計を進めていきましょう。

SECTION 10よくある質問(FAQ)

毎年110万円の暦年贈与をしていれば、相続税は完全に避けられますか?

いいえ。110万円以下なら贈与税はかかりませんが、相続開始前7年以内(経過措置あり)の贈与は相続財産に加算されます。完全に避けるというより、早くから続けるほど効果が高まる、と考えるのが適切です。

自宅を生前に子へ贈与しておけば、相続税対策になりますか?

必ずしも有利とは限りません。生前贈与で取得した宅地には小規模宅地等の特例(最大80%減)が使えません。自宅は「相続で引き継いで特例を使う」ほうが有利なケースも多いため、トータルでの比較が大切です。

相続時精算課税制度を選ぶと、本当に節税になりますか?

値上がりが見込まれる財産を早めに移す場合や、収益不動産を移して家賃収入を相続財産から切り離したい場合などに効果を発揮します。ただし一度選ぶと暦年課税に戻れないため、目的を明確にして選ぶ必要があります。

遠方にある実家(空き家)を相続しそうです。何から始めれば?

まずは「おおよその評価額・売却価格を知る」ことです。維持費や老朽化のリスクを踏まえ、賃貸・売却・活用のどれが現実的かを早めに判断するために、査定を受けておくと選択肢を広く持てます。

SECTION 11まとめ

生前贈与と不動産相続にまつわる税金・節税対策は、たびかさなる税制改正によって、年々複雑になっています。しかし、基本の仕組みを押さえたうえで、非課税制度や特例の内容を正しく理解して活用すれば、税負担を大きく抑えることは十分に可能です。

  • 暦年贈与は早く始めるほど効果大。加算期間7年化を踏まえて計画を
  • まとまった贈与には相続時精算課税制度。ただし選択は慎重に
  • 不動産は評価減小規模宅地等の特例が節税の主役
  • 空き家・実家は方針決め早めの査定で負担を回避

相続対策は、早めの計画が成功のカギです。まずは情報を整理し、ご自身の状況に合った最適な方法を考えることから始めましょう。守口市・寝屋川市をはじめ北河内エリアで不動産の相続・売却にお悩みの方は、地域の事情に詳しい専門家へお気軽にご相談ください。

※本記事は2026年(令和8年)時点の税制をもとに、一般的な情報をわかりやすくお伝えすることを目的としたものです。税制は改正される場合があり、また個別の事情によって取り扱いや税額は異なります。実際の相続税・贈与税の計算や申告、制度の適用可否については、税理士などの専門家に必ずご確認ください。当社は税務の代理・個別の税務相談を行うものではありません。