
不動産の家族間売買で注意点は何?手続きや税金リスクも解説
家族間売買の注意点・税金・手続き
完全ガイド
親子間・兄弟姉妹間の不動産売買を検討中の方へ。みなし贈与・贈与税リスクから登記手続き・住宅ローン審査まで、失敗しないための全知識をわかりやすく解説します。
家族間での不動産売買(親族間売買とも呼ばれます)を検討する際、「どんな手続きが必要なの?」「税金はどのくらいかかるの?」「住宅ローンは通るの?」と不安や疑問を感じていませんか。
家族間で物件を譲る場合も、通常の不動産取引と同様に、売買契約・所有権移転登記・各種税務申告などの正式な手続きが必要です。「家族だから」という理由で手続きを簡略化すると、後から税務署にみなし贈与と判断されたり、登記の不備で権利関係がトラブルになるリスクがあります。
本記事では、親子間・兄弟間の家族間不動産売買によくある注意点・失敗しないための手続き・税金の基礎知識・発生しやすいトラブルとその回避方法まで、専門家監修のもと分かりやすく解説します。
家族間売買の基本と進める目的・メリット・デメリット
家族間売買(親族間売買)とは、親子・兄弟姉妹・祖父母と孫など、親族同士で不動産を売買することを指します。第三者が介在しない取引であっても、法律上は通常の不動産売買と同じ効力を持ち、売買契約書の締結・所有権移転登記・税務申告が必要です。
家族間売買のメリットとしては、①仲介手数料が不要(不動産会社を介さない場合)、②スケジュールや条件を双方で柔軟に決められる、③売買価格を相談して決められる、などが挙げられます。一方、デメリット・リスクも多く存在します。
価格が市場相場よりも著しく低い場合は「みなし贈与」と税務署に判断され贈与税が課される可能性があります。また住宅ローン審査が通りにくい、手続きの不備で登記トラブルが起きやすい、家族間の感情的なトラブルに発展しやすい、などの点に注意が必要です。
| 確認項目 | 内容 | リスク回避策 |
|---|---|---|
| 目的の共有 | 相続対策・将来も住む・資金援助・住宅ローン返済困難など目的を明確化 | 家族全員で事前合意を書面で残す |
| 代替手段の検討 | 贈与・相続時精算課税・生前贈与・家族信託など他の選択肢と比較 | 専門家に各手段のメリット・デメリットを確認 |
| 価格設定 | 市場価格・固定資産税評価額・路線価・不動産鑑定評価を参照 | 「みなし贈与」の税務リスク回避 |
| 手続きの正式化 | 売買契約書作成・所有権移転登記・税務申告 | 司法書士・税理士に依頼し不備を防ぐ |
| 金融機関対応 | 住宅ローンを使う場合は親族間売買に対応する金融機関を選定 | 事前審査・不動産鑑定書の準備が鍵 |
家族間売買を進める前には、贈与・相続時精算課税・家族信託など、ほかの資産移転手段との比較検討も欠かせません。それぞれの手段には節税効果や手続きの簡便さ・将来の権利関係への影響が異なります。目的に応じた最適な手段を選ぶために、早い段階から専門家への相談を強くおすすめします。

注意すべき税金の種類と価格設定のポイント
家族間売買において、適正価格での取引は最重要課題のひとつです。市場価格より著しく低い価格で売買すると、税務署から「みなし贈与」と判断され、差額部分に対して贈与税が課せられる可能性があります。この税率は最大で55%にも達するため、思いがけない大きな負担となりかねません。
税務署の実務上、売買価格が市場時価のおおむね80%を下回る場合、「著しく低い価格での譲渡」としてみなし贈与と判断されるリスクが高まります。差額部分が贈与とみなされ、最大55%の贈与税が課される可能性があるため、価格設定は慎重に行う必要があります。
■ 売主・買主それぞれにかかる税金
| 立場 | 税金の名称 | 税率・概要 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 売主 | 譲渡所得税・復興特別所得税・住民税 | 売却益(譲渡所得)が発生した場合に課税。長期譲渡(所有5年超)は約20.315%、短期譲渡(5年以内)は約39.63% | 3,000万円特別控除の適用可否を確認。マイホームの売却なら適用できる場合あり |
| 買主 | 不動産取得税 | 取得した不動産の固定資産税評価額×3〜4%(住宅・土地には軽減措置あり) | 取得後60日以内に都道府県に申告。軽減措置の要件を確認する |
| 買主 | 登録免許税 | 所有権移転登記時に固定資産税評価額×2%(土地は2026年3月まで1.5%に軽減) | 登記申請と同時に納付。軽減税率の期限に注意 |
| 両者 | 印紙税 | 売買契約書に貼付。売買金額に応じて数百円〜数十万円 | 電子契約では不要な場合も。書面作成時は忘れずに |
| 両者 | 贈与税(みなし贈与) | 価格が市場価格の約80%を下回ると発生リスク。最大税率55% | 不動産鑑定士による評価書の取得が最も有効な対策 |
■ 適正価格を決める3つの指標
価格指標の目安と信頼度
税務リスクを最小化するうえで最も信頼性が高いのが不動産鑑定士による鑑定評価書です。費用は20〜40万円程度かかりますが、税務調査への説明資料としても有効で、みなし贈与の認定を防ぐ強力な根拠になります。一方、路線価や固定資産税評価額は相場の7〜8割程度の水準になることが多く、これだけを根拠にするのはリスクが残ります。
手続きの流れと必要書類まとめ
家族間売買においても、正式な売買契約・所有権移転登記・税務申告を確実に行うことが不可欠です。以下に基本的なステップを整理しました。
| ステップ | 主な書類・要点 | 依頼先の専門家 |
|---|---|---|
| ①事前相談・価格確認 | 不動産鑑定評価書、路線価・固定資産評価確認 | 不動産鑑定士・税理士 |
| ②売買契約締結 | 売買契約書・印紙税納付 | 不動産会社・司法書士 |
| ③登記申請準備 | 実印・印鑑証明・住民票・権利証・固定資産評価証明書等 | 司法書士 |
| ④法務局申請・納税 | 登録免許税(評価額×1.5〜2%) | 司法書士 |
| ⑤登記完了 | 登記完了証・登記識別情報通知書の受領・保管 | 司法書士 |
| ⑥税務申告 | 確定申告(譲渡所得)・不動産取得税申告 | 税理士 |
住宅ローン・金融機関との交渉ポイント
家族間売買で住宅ローンを利用したい場合、一般的な住宅購入と比べて審査が格段に厳しくなるという現実があります。多くのメガバンクや住宅金融支援機構(フラット35)は、親族間売買を原則として融資対象外としています。これは、「資金使途の不透明さ」や「贈与・脱税目的ではないか」という疑義が生じやすいためです。
| 金融機関の種類 | 親族間売買への対応 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| メガバンク・大手銀行 | 原則不可または非常に審査が厳しい | フラット35も対象外の場合が多い |
| 地方銀行・信用金庫 | 条件次第で対応可能なケースあり | 物件・融資額・関係性によって判断が異なる |
| ノンバンク・モーゲージバンク | 比較的柔軟だが金利が高め | 2〜4%台の金利になることも。総返済額に注意 |
住宅ローン審査を通過するためのポイントとして、以下が挙げられます。
- 不動産鑑定士による鑑定評価書を取得する:客観的な市場価値が証明され、「適正な売買」であることを金融機関に示せる
- 売買価格を市場価格に近い水準に設定する:著しく低い価格は贈与疑惑を持たれるため避ける
- 売買の目的・経緯を説明できる書類を用意する:ローン返済困難な事情・相続対策など正当な理由を文書化する
- 不動産会社(宅建業者)を仲介に入れる:業者が介在することで取引の透明性・正当性が高まり、金融機関からの信頼を得やすい
- 親族間売買に実績のある金融機関を選定する:地方銀行・信用金庫・ノンバンクに相談し、複数社で比較検討する
住宅ローンを利用しない場合(現金一括払い・分割払いを家族間で取り決める場合)でも、借用書や金銭消費貸借契約書を正式に作成し、返済の事実を金融機関口座の振込履歴で残すことが重要です。実態のない売買・返済では贈与と認定されるリスクがあります。

その他のリスクとトラブル回避策
家族間だからこそ、条件が曖昧になりやすいという落とし穴があります。「あのときこう言った」という認識の齟齬が、後に深刻な家庭内トラブルや法的紛争に発展するケースは少なくありません。家族間売買特有のリスクを正しく把握し、事前に対策を講じることが大切です。
| リスク・課題 | 具体的な内容 | 回避策 |
|---|---|---|
| 契約条件の曖昧さ | 支払い期日・方法・引き渡し条件が口約束で済まされ、後に認識のズレが生じる | 売買契約書に期日・金額・引き渡し条件・瑕疵担保責任の有無を明記。公正証書化も検討 |
| みなし贈与・税務調査 | 低価格での売買が後から税務署に指摘され、追徴課税・延滞税・加算税が課される | 不動産鑑定評価書の取得・税理士への事前相談・申告書類の適切な作成 |
| 住宅ローン審査の壁 | 主要金融機関で審査が通らず資金調達できない | 親族間売買に実績ある地方銀行・ノンバンクへ打診・不動産業者の仲介を入れる |
| 共有持分・抵当権の問題 | 売却対象物件に他の相続人の共有持分や銀行の抵当権が残っており、売買できないまたは手続きが複雑になる | 事前に登記簿謄本(登記事項証明書)を取得し、権利関係を確認する |
| 隠れた瑕疵(欠陥) | 建物の雨漏り・シロアリ・耐震不足などが後から発覚し、家族間でトラブルになる | インスペクション(建物状況調査)の実施・告知義務の履行・瑕疵担保責任の契約書への明記 |
| 感情的なトラブル | 価格・条件・手続きをめぐって家族関係が悪化する | 第三者(不動産会社・司法書士)を介在させることで客観性を保つ |
特に登記簿(登記事項証明書)の事前確認は必須です。法務局やオンラインで取得できる登記簿には、所有者・抵当権・差押えなどの権利関係がすべて記載されています。売買の前に必ず確認し、問題がある場合は解消してから手続きを進めましょう。
専門家(司法書士・税理士・不動産鑑定士)の選び方と活用法
家族間売買を安全に進めるためには、適切な専門家の選定と連携が非常に重要です。それぞれの専門家の役割と選び方のポイントを解説します。
①親族間売買・家族間売買の実績があるかを必ず確認する。②複数の専門家に相見積もりを取り、費用・対応の丁寧さを比較する。③「ワンストップ対応」(司法書士+税理士の連携)ができる事務所や不動産会社を選ぶと手続きがスムーズ。④初回相談が無料の事務所も多いので、まずは気軽に相談してみましょう。

よくある質問(FAQ)
家族間売買・親族間不動産売買のご相談
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みなし贈与リスク・住宅ローン・税金・登記手続きなど
経験豊富な専門スタッフが丁寧にサポートいたします
まとめ
家族間売買(親族間売買)は、相続対策・住宅ローン返済困難への対応・実家の引き継ぎなど、様々な目的で有効な手段ですが、通常の不動産売買と変わらない正式な手続きと税務対策が必要です。
家族間売買の重要ポイント総まとめ
- 適正価格の設定が最重要:市場価格の80%を下回ると「みなし贈与」と判断され最大55%の贈与税リスク。不動産鑑定士の評価書取得が最善策
- 税金は売主・買主それぞれに発生:譲渡所得税・不動産取得税・登録免許税・印紙税を事前に試算し、節税特例の適用可否を税理士に確認する
- 正式な売買契約書と登記は必須:口約束は厳禁。司法書士に依頼して所有権移転登記を確実に行う
- 住宅ローンは通りにくい:メガバンクは原則不可。地方銀行・信用金庫・ノンバンクへ相談し、不動産会社の仲介・鑑定評価書で審査通過率を上げる
- 登記簿の事前確認を忘れずに:抵当権・共有持分・差押えなどの権利関係を売買前に必ず確認する
- 専門家(司法書士・税理士・不動産鑑定士)の連携活用が安心への近道:実績ある専門家に早めに相談することで、リスクを最小化できる
家族間だからこそ曖昧になりやすい条件・価格・手続きを、専門家の力を借りながら公正かつ正確に進めることが、家族全員が安心できる不動産取引の実現につながります。ご不安な点はどんな小さなことでも、まずはお気軽にご相談ください。
「売主様第一主義」の
守口市・寝屋川市不動産買取売却センター
はじめまして。ハルソラ不動産の紺屋嶋(こやじま)と申します。不動産会社での売却実務経験を経て、「会社都合ではなく、売主様に本当に寄り添いたい」という想いでハルソラ不動産を立ち上げました。
宅建協会の役員を兼務し、行政の不動産相談にも携わっております。「相続した実家をどうすれば良いか」「空き家のまま固定資産税だけ払い続けている」「まず査定価格だけ知りたい」など、どんなご状況でも、守口市・寝屋川市の不動産売却・買取のことはお気軽にご相談ください。
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