
不動産取得税について徹底解説!
取得税
不動産取得税の計算方法・金額・支払いタイミングを徹底解説
マイホームや土地を買ったあと、忘れたころに届く「納税通知書」。不動産取得税は税率・軽減措置・支払いタイミングを知らないと、思わぬ金額に驚くことになりがちな税金です。この記事では計算方法から金額の目安、支払い時期、そして必ず押さえたい免責事項までを、2026年(令和8年度税制改正対応)の最新情報でわかりやすくまとめました。
AT A GLANCE
不動産取得税の早見表
まずは全体像を早見表で確認しましょう。細かい要件や計算方法は、以下の各章でくわしく解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 税額の基本式 | 固定資産税評価額 × 税率 −(控除額) |
| 税率 | 住宅・土地は3%/住宅以外の家屋は4%(3%軽減は令和9年3月末まで) |
| 宅地の特例 | 課税標準が評価額の2分の1(令和9年3月末まで) |
| 新築住宅の控除 | 最大1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円) |
| 中古住宅の控除 | 築年月日に応じて420万〜1,200万円(自己居住用) |
| 土地の控除 | 45,000円か床面積基準の大きい方 |
| 免税点 | 土地10万円・新築家屋23万円・中古家屋12万円 未満は非課税 |
| 申告期限 | 取得後おおむね60日以内(都道府県により異なる) |
| 支払い時期 | 取得後3〜6か月後などに届く納税通知書で納付 |
SECTION 01
不動産取得税とは?かかる場面と非課税のケース
不動産取得税とは、土地や建物といった不動産を取得したときに、その不動産の所在地の都道府県が課税する地方税(都道府県税)です。毎年かかる固定資産税とは違い、取得したタイミングで一度だけ課税されるのが大きな特徴です。「買ったときに一回だけ払う税金」とイメージすると分かりやすいでしょう。
ここで言う「取得」は売買に限りません。次のような場面はいずれも不動産取得税の課税対象になります。
- 土地・建物を売買で購入したとき
- 住宅などを新築・増築・改築したとき(増改築で価値が上がった部分も対象)
- 不動産を贈与で受け取ったとき
- 不動産を交換で取得したとき
ポイントは、代金を支払ったかどうかや、登記をしたかどうかにかかわらず、実質的に所有権を得れば課税されるという点です。有償・無償を問わないため、無償で受け取る贈与でも不動産取得税はかかります。
相続で取得した場合は非課税
一方で、相続によって不動産を取得した場合は非課税です。相続は本人の意思で「取得」したというより、財産が引き継がれる性質のものだからです。相続時には相続税や登録免許税を検討することになりますが、不動産取得税はかからないと覚えておきましょう。ほかにも、法人の合併や一定の要件を満たす分割など、形式的な移転にとどまるケースでは非課税とされる場合があります。
不動産取得税では、原則として引き渡しを受けた日や登記の日など、実際に所有権を得た日をもって「取得」とみなします。新築の場合は建物が完成し使用できる状態になった時点が基準になります。取得の時期は軽減措置の適用期限にも関わるため、契約日ではなく取得日で判断される点に注意しましょう。
こんなケースも不動産取得税の対象になる
「買った覚えはないのに不動産取得税の通知が来た」という声は少なくありません。次のようなケースも課税対象になり得ます。あらかじめ知っておくと、突然の納税通知書にも落ち着いて対応できます。
- 増改築・リフォーム:建物の価値が上がる増改築を行うと、価値が増えた部分が新たな取得とみなされ課税対象になります。一方、原状回復程度の修繕では課税されないのが一般的です。
- 不動産の交換:自分の土地と他人の土地を交換した場合も、それぞれが不動産を「取得」したことになり課税されます。
- 共有持分の取得:共有だった不動産のうち、他の共有者の持分を買い取った場合など、持分の取得も対象です。
- 贈与:無償の贈与でも課税されます。親子間・夫婦間の贈与も例外ではありません。
- 特定遺贈(相続人以外への遺贈):遺言によって相続人以外の人が不動産を取得する場合は、相続と異なり課税対象となることがあります。
不動産取得税と間違えやすい税金
不動産の取得時には、不動産取得税のほかにもさまざまな税金・費用がかかります。混同しやすいので、違いを整理しておきましょう。
| 税金 | いつかかる | 課税する主体 |
|---|---|---|
| 不動産取得税 | 取得時に一度だけ | 都道府県 |
| 登録免許税 | 登記をするとき | 国 |
| 印紙税 | 契約書を作成するとき | 国 |
| 消費税 | 建物購入・仲介手数料など | 国 |
| 固定資産税・都市計画税 | 毎年(保有している間) | 市区町村 |
このうち、取得の「その場」で決済時に精算されるものが多い中で、不動産取得税だけは後から単独で納税通知書が届く点が特徴です。この時間差が「予想外の出費」と感じられる原因になっています。
SECTION 02
税率と課税標準(固定資産税評価額)の基本
不動産取得税の金額は、ざっくり言えば「課税標準 × 税率」で決まります。まずはこの2つの要素を正しく理解することが、計算方法をマスターする近道です。
課税標準は「固定資産税評価額」
計算のベースになる課税標準は、購入価格そのものではなく固定資産税評価額です。固定資産税評価額は市区町村(東京23区は都)が定める評価額で、一般に土地は実勢価格(時価)の7割程度、建物は建築費の5〜6割程度が目安とされます。つまり、多くの場合は購入価格よりかなり低い金額が課税標準になります。
実際の評価額は、毎年春(4〜6月ごろ)に届く固定資産税の納税通知書や、市区町村(東京23区は都税事務所)で取得できる固定資産評価証明書で確認できます。購入前であれば、不動産会社に評価額の資料を用意してもらうと、あらかじめ不動産取得税の金額を把握できて安心です。評価額が手元にない段階では、土地なら「購入価格 × 0.7」程度、建物なら「建築費 × 0.5〜0.6」程度をおおよその目安として概算することもできますが、あくまで参考値であり、実際の税額は固定資産税評価額で計算される点に注意してください。
税率は原則4%、住宅と土地は3%の軽減あり
不動産取得税の税率は、本来は一律4%(本則税率)です。ただし、軽減措置により2027年(令和9年)3月31日までに取得した土地と住宅については、税率が3%に引き下げられています。店舗・事務所・倉庫といった住宅以外の家屋は、この軽減の対象外で4%のままである点に注意してください。
| 取得した不動産 | 税率 |
|---|---|
| 土地 | 3%(軽減後) |
| 住宅(家屋) | 3%(軽減後) |
| 住宅以外の家屋(店舗・事務所など) | 4%(本則) |
宅地は課税標準が2分の1になる特例
さらに土地のうち宅地および宅地評価された土地については、2027年(令和9年)3月31日までの取得に限り、課税標準が固定資産税評価額の2分の1になる特例があります。これは住宅用かどうかにかかわらず宅地であれば適用される評価の特例で、土地の不動産取得税を大きく引き下げる効果があります。
不動産取得税は「固定資産税評価額 × 税率(住宅・土地は3%)」が基本。宅地は評価額が2分の1になり、住宅以外の家屋は税率4%。軽減税率と宅地2分の1の特例は、いずれも2027年(令和9年)3月31日取得分までの期限付きです。
SECTION 03
不動産取得税の計算方法【基本の式】
ここからは具体的な計算方法を見ていきます。不動産取得税は建物(家屋)と土地を分けて計算し、最後に合算します。軽減措置を使わない場合の基本式はとてもシンプルです。
そして、要件を満たす住宅やその土地を取得した場合は、ここから控除(軽減)を差し引きます。軽減措置を適用した後の計算式は次のようになります。
この控除額こそが、不動産取得税を「数十万円」から「実質ゼロ円」にまで変える鍵です。新築住宅・中古住宅・土地でそれぞれ控除額の決まり方が違うため、次の章から順番に見ていきましょう。
計算の手順を整理すると
迷ったときは、次の順番で考えると計算方法がすっきり整理できます。
- 手順1:建物と土地、それぞれの固定資産税評価額を確認する。
- 手順2:住宅か住宅以外かで税率(3%または4%)を決める。
- 手順3:土地が宅地なら課税標準を2分の1にする。
- 手順4:建物は住宅控除、土地は住宅用土地の控除を差し引く。
- 手順5:建物と土地の税額を合算する(マイナスは0円)。
この流れを押さえておけば、新築・中古・土地のどのパターンでも同じ考え方で税額を計算できます。都道府県の公式サイトで公開されているシミュレーションツールを使えば、評価額と床面積などを入力するだけで金額の目安を確認できます。
なぜ建物と土地を分けて計算するのか
不動産取得税を建物と土地に分けて計算するのは、それぞれに別々の軽減措置が用意されているからです。建物には「住宅の控除(新築1,200万円・中古は築年別)」、土地には「宅地の2分の1特例」と「住宅用土地の控除」があり、適用の要件も金額の決まり方も異なります。マンションのように土地と建物をセットで買う場合でも、内部的には建物分と土地分(敷地の持分)に分けて計算し、最後に合算します。そのため、購入時にもらう資料では建物と土地の評価額が分かれているかを確認しておくとスムーズです。
控除は自動的に適用されるとは限りません。多くの都道府県で軽減措置を受けるには申告が必要で、申告をしないと軽減前の金額のまま納税通知書が届くことがあります。「知らなかった」で数十万円損をしないよう、取得したら早めに手続きを確認しましょう(詳しくは第9章)。
SECTION 04
軽減措置①:新築住宅の控除(1,200万円)
一定の要件を満たす新築住宅を取得すると、建物の固定資産税評価額から最大1,200万円を控除できます。評価額が1,200万円以下なら、建物部分の不動産取得税は0円になります。
新築住宅の軽減を受けるための主な要件
- 自己の居住用、またはセカンドハウス・賃貸用など住宅であること
- 床面積が50㎡以上240㎡以下(一戸建て以外の賃貸住宅は40㎡以上240㎡以下)
この床面積は登記簿上の面積ではなく、課税床面積(マンションなら共用部分の按分を含む)で判定される点に注意しましょう。
認定長期優良住宅なら控除額が1,300万円に
認定長期優良住宅(耐震性・省エネ性などの基準を満たし行政の認定を受けた住宅)を新築・取得した場合は、控除額が1,300万円に上乗せされます。この特例は2026年(令和8年)度税制改正で延長され、2031年(令和13年)3月31日まで適用される見込みです。長期優良住宅を検討している方は、認定通知書などの書類を都道府県税事務所へ提出することで適用を受けられます。
2026年(令和8年)4月1日以後に取得する住宅については、軽減の床面積要件の下限が40㎡に緩和されました(改正前は50㎡)。コンパクトなマンションでも軽減を受けやすくなっています。取得日が2026年3月31日以前か4月1日以後かで案内が分かれるため、所在地の都道府県の最新情報を確認しましょう。
セカンドハウスや賃貸住宅も対象になる
新築住宅の1,200万円控除は、自分がずっと住む家(主たる住宅)だけの制度と思われがちですが、セカンドハウスや賃貸用の住宅でも要件を満たせば適用されます。セカンドハウスとは、別荘以外で「遠距離通勤者が平日に住むための住宅」や「週末に暮らすために郊外に持つ住宅」など、毎月一定日数以上居住する家を指します。
賃貸アパート・マンションを建てて人に貸す場合も、一戸あたりの床面積が40㎡以上240㎡以下であれば、各戸ごとに控除が適用されます。ただし中古住宅の控除は「個人が自分の居住用に取得する場合」に限られるため、賃貸・投資目的で買う中古物件は建物の控除が使えない点に注意が必要です。
SECTION 05
軽減措置②:中古住宅の控除(築年月日別)
中古住宅にも控除がありますが、新築とは少し仕組みが異なります。中古住宅の控除額は、その住宅が新築された日(築年月日)によって決まります。新しい建物ほど控除額が大きく、古い建物ほど小さくなります。
| 新築された年月日 | 控除額 |
|---|---|
| 平成9年(1997年)4月1日以降 | 1,200万円 |
| 平成元年(1989年)4月1日〜平成9年3月31日 | 1,000万円 |
| 昭和60年(1985年)7月1日〜平成元年3月31日 | 450万円 |
| 昭和56年(1981年)7月1日〜昭和60年6月30日 | 420万円 |
※上表より前に新築された住宅にも、さらに小さい控除区分があります。控除額は都道府県により若干異なる場合があるため、所在地の都道府県税事務所の一覧で確認してください。
中古住宅の軽減を受けるための主な要件
- 個人が自分の居住用として取得すること(賃貸・投資用は対象外)
- 床面積が50㎡以上240㎡以下であること
- 新耐震基準に適合していること(昭和57年〈1982年〉1月1日以後に新築された住宅は原則適合とみなされます)
昭和56年12月31日以前に新築された古い住宅でも、建築士などによる耐震基準適合の証明があれば軽減を受けられます。また、取得後に一定期間内で耐震改修を行うことで軽減を受けられる制度もあります。中古住宅は「築古だから軽減は使えない」と諦めず、条件を確認することが大切です。
平成9年(1997年)4月1日以降に新築された中古住宅は、新築と同じ1,200万円の控除が使えます。評価額が控除額の範囲内に収まれば、中古住宅でも建物部分の不動産取得税が0円になるケースは珍しくありません。
「新耐震基準」とは?築年数の境目
中古住宅の軽減で鍵になるのが新耐震基準への適合です。新耐震基準は1981年(昭和56年)6月1日に導入された基準で、実務上は昭和57年(1982年)1月1日以後に新築された住宅であれば原則として新耐震基準を満たすものとして扱われます。この日付が中古住宅の軽減を受けられるかどうかの大きな目安になります。
それより前(昭和56年12月31日以前)に建てられた住宅でも、建築士などによる耐震診断で新耐震基準への適合が証明されれば軽減の対象になります。中古住宅を検討する際は、建築年だけでなく、耐震基準適合証明書などの書類が取得できるかどうかもあわせて確認しておきましょう。
リノベ済み物件・買取再販を購入するときの注意
不動産会社がいったん買い取り、リフォーム・リノベーションして再販売する「買取再販物件」を購入するケースが増えています。この場合、購入者(個人)が自己の居住用として取得し、床面積・耐震基準などの要件を満たせば、通常の中古住宅の軽減を受けられます。古い建物でも、建築士等による耐震基準適合の証明や、既存住宅売買瑕疵保険への加入で要件をクリアできる場合があります。
「築年数が古いから軽減は無理」と決めつけず、売買を仲介する不動産会社に、耐震基準適合の証明が取得できるか、軽減の申告に必要な書類がそろうかを事前に確認しておくとよいでしょう。取得後に耐震改修を行うことで軽減を受けられる特例もあります。
SECTION 06
軽減措置③:土地の控除と免税点
住宅の敷地となる土地にも、税額から直接差し引ける控除があります。前述のとおり宅地は課税標準が2分の1になり、そのうえで住宅用土地の控除が上乗せされるため、土地の不動産取得税もゼロになることがよくあります。
土地の控除額は「45,000円」か「床面積基準」の大きい方
住宅用土地の控除額は、次のAとBのいずれか高い方の金額です。
Bの「住宅の床面積 × 2」は、1戸につき200㎡が上限です。多くのケースではBの金額のほうが大きくなるため、実際にはBが控除額として使われることが一般的です。
土地の軽減を受けるための主な要件
- その土地の上に、軽減の要件を満たす住宅(新築・中古)を取得していること
- 土地の取得と住宅の取得が一定期間内(土地取得の前後おおむね1年以内など)に行われていること
- 土地と住宅の所有者が原則として同一であること
先に土地を買って後から家を建てる場合や、家付きの土地を同時に買う場合など、時期の要件は都道府県によって細かく定められています。2026年(令和8年)4月1日以後の取得では床面積要件の下限緩和の影響もあるため、取得日を基準に最新の案内を確認しましょう。
免税点:一定額未満なら不動産取得税はかからない
取得した不動産の課税標準額が一定額に満たない場合は、免税点により不動産取得税は課税されません。免税点は次のとおりです。
| 区分 | 免税点(この額未満なら非課税) |
|---|---|
| 土地 | 10万円未満 |
| 家屋(新築・増改築) | 23万円未満 |
| 家屋(売買など・中古を含む) | 12万円未満 |
この免税点は課税標準額(軽減後ではなく評価額ベース)で判定されます。小規模な土地や評価額の低い建物では、そもそも課税されないこともあると覚えておきましょう。
マンションの土地は「持分」で計算する
分譲マンションを購入した場合、その敷地は住戸ごとに敷地権(持分)として分けて所有します。土地の不動産取得税も、この持分に応じた評価額をもとに計算します。1棟の敷地全体ではなく、購入した住戸に割り当てられた土地面積・評価額で計算する点が一戸建てとの違いです。
床面積基準の控除(土地1㎡当たりの評価額 × 1/2 × 住宅の床面積の2倍 × 3%)を求める際も、敷地の単価に持分を反映させて計算します。一戸建てに比べて土地の持分が小さくなることが多いため、控除額の計算は複雑になりがちです。マンションの不動産取得税を正確に知りたい場合は、都道府県のシミュレーションツールを使うか、都道府県税事務所に確認するのが確実です。
不動産取得税がかからない主なケース
ここまでの内容を踏まえ、不動産取得税が課税されない(非課税・不課税になる)主なケースを整理しておきます。
- 相続による取得(包括遺贈・相続人への特定遺贈を含む)
- 取得した不動産が免税点未満のとき(土地10万円未満、家屋は12万円・23万円未満)
- 法人の合併や一定要件を満たす分割による取得
- 国・地方公共団体などが取得する場合、公共の用に供する道路など
- 宗教法人・学校法人などが本来の用途に使う不動産を取得する場合(一定の要件あり)
非課税に該当するかどうかは個別の事情や要件によって判断が分かれます。自分のケースが当てはまるか不安な場合は、都道府県税事務所や税理士に確認しましょう。
SECTION 07
金額の目安とシミュレーション
ここまでの計算方法を使って、不動産取得税の金額を具体的にシミュレーションしてみましょう。数字は分かりやすさを優先した仮の設定で、実際の税額は固定資産税評価額や都道府県の取り扱いによって変わります。
ケース1:新築の一戸建て(自己居住用)
建物:評価額1,300万円・床面積100㎡/土地:評価額1,800万円・面積120㎡
建物の税額
土地の税額
ケース2:中古マンション(自己居住用・2014年築)
建物:評価額1,000万円・床面積70㎡/土地(持分):評価額3,000万円・面積50㎡
建物の税額
(1,000万円 − 1,200万円)→ マイナス = 0円
土地の税額
ケース3:軽減が使えない事務所ビル(住宅以外)
建物:評価額2,000万円(住宅以外)/土地(宅地):評価額3,000万円
建物の税額
2,000万円 × 4% = 80万円
土地の税額
3,000万円 × 1/2 × 3% = 45万円
ケース4:投資用の中古ワンルーム(居住用でない)
建物:評価額600万円・床面積25㎡/土地(持分):評価額500万円
建物の税額
600万円 × 3% = 18万円
土地の税額
500万円 × 1/2 × 3% = 7.5万円
同じような評価額でも、住宅として軽減が使えるかどうかで金額は数十万円単位で変わります。自己居住用の住宅・土地は軽減でゼロに近づく一方、投資用・事業用や床面積要件を満たさない物件は本来の税額がそのまま課税されます。購入前に「自分のケースでは軽減が使えるか」を必ず確認しておきましょう。
SECTION 08
支払いタイミング|納税通知書はいつ届く?
不動産取得税でとくに戸惑いやすいのが支払いタイミングです。結論から言うと、物件の購入時(決済時)には支払いません。取得してからしばらく経った後に、都道府県から納税通知書が郵送で届き、それを使って納付します。
納税通知書は取得から数か月後に届く
納税通知書が届く時期は都道府県によって差がありますが、おおむね取得後3〜6か月後が目安です。都道府県によっては半年〜1年半ほど後に届くこともあります。まさに「忘れたころにやってくる」税金で、納期(納付期限)も都道府県ごとに異なります。届いた通知書に記載された金額と期限を確認し、金融機関などで納付します。
軽減の申告をしていない場合や、住宅以外の物件では、数十万円〜100万円超の納税通知書が届くこともあります。支払いは通常一括が基本のため、購入前に金額を把握し、支払い資金を別に確保しておくと安心です。予期せぬ出費に慌てないためにも、支払いタイミングを見越した資金計画が重要です。
納付方法
納付方法は都道府県によりますが、一般的には次のような手段が用意されています。
- 金融機関・郵便局・都道府県税事務所の窓口での納付
- コンビニ納付(バーコード付き納付書の場合)
- 口座振替、ペイジー(Pay-easy)、クレジットカード納付、スマホ決済アプリなど
利用できる方法や手数料は都道府県ごとに異なるため、納税通知書に同封される案内で確認してください。
取得から納付までの大まかな流れ
不動産取得税の支払いタイミングを時系列で見ると、次のようなイメージです。
- ①取得(引き渡し・登記):ここでは不動産取得税は払いません。
- ②取得後すぐ〜60日以内:軽減を受けるための申告を行います(都道府県により期限が異なります)。
- ③取得後3〜6か月後ごろ:都道府県から納税通知書が届きます。
- ④通知書の納期限まで:記載された金額を納付します(原則一括)。
②の申告を先に済ませておくと、③で届く通知書が最初から軽減後の金額になり、支払いがスムーズです。申告を後回しにすると、いったん軽減前の高い金額で通知が届き、あとから訂正・還付の手続きが必要になることもあります。
納税通知書は登記上の住所などに郵送されます。取得後すぐに転居した場合、通知書が旧住所に届いて気づかない、というトラブルが起こりがちです。取得後に住所が変わるときは、確実に通知書を受け取れるよう、必要に応じて都道府県税事務所へ連絡しておくと安心です。
納期限を過ぎるとどうなる?
納税通知書に記載された納期限までに支払わないと、原則として延滞金が加算されます。延滞金の割合は年ごとに定められており、納付が遅れるほど負担が増えていきます。さらに長期間放置すると、督促や滞納処分(財産の差し押さえなど)に発展する可能性もあります。
ただし、一括での納付がどうしても難しい事情がある場合は、放置せずに早めに都道府県税事務所へ相談することが大切です。分割納付(分納)や納期限の猶予といった対応が認められることもあります。「払えないから見て見ぬふり」が一番避けたい対応です。支払いタイミングと金額をあらかじめ把握しておくことが、こうしたトラブルを防ぐ最善策になります。
SECTION 09
申告・納付の手続きと必要書類
軽減措置をきちんと受けるには、取得後の申告が欠かせません。手続きの流れと必要書類を整理しておきましょう。
申告の期限は「取得後60日以内」が目安
不動産を取得したら、原則として取得後60日以内に、不動産の所在地を管轄する都道府県税事務所へ申告します。ただし期限は都道府県によって異なり、東京都のように30日以内とされている地域もあります。軽減の要件を満たしていても、申告書や証明書類を出さなければ軽減前の税額で通知が届くことがあるため、早めの手続きが肝心です。
主な必要書類(例)
- 不動産取得税の申告書(都道府県所定の様式)
- 売買契約書・建築請負契約書などの取得を証する書類
- 登記事項証明書(登記簿謄本)
- 住民票など居住を確認できる書類(自己居住用の軽減の場合)
- 認定長期優良住宅の認定通知書(該当する場合)
- 耐震基準適合を証する書類(中古住宅で必要な場合)
必要書類は取得した不動産の種類や適用する軽減によって変わります。実際の様式・提出先・期限は、必ず所在地の都道府県税事務所の案内に従ってください。
先に軽減なしで納付してしまった場合でも、後から要件を満たすことが確認できれば、払い過ぎた分の還付(返還)を受けられることがあります。土地を先に取得し後から住宅を新築した場合などが典型例です。心当たりがあれば都道府県税事務所に相談してみましょう。
失敗しないためのチェックリスト
不動産取得税で「損した」「慌てた」を防ぐために、取得の前後で次の点を確認しておきましょう。
- 購入前に固定資産税評価額を確認し、おおよその金額を試算したか
- 自分のケースで軽減措置(新築・中古・土地)が使えるかを確認したか
- 床面積・耐震基準・居住用かどうかなど適用要件を満たしているか
- 取得後、申告期限(原則60日以内、都道府県により異なる)を把握しているか
- 納税通知書が取得の数か月後に届くことを踏まえ、支払い資金を確保しているか
- 長期優良住宅・耐震改修など、追加で使える特例がないか確認したか
SECTION 10
よくある質問(FAQ)
不動産取得税は分割払いできますか?
クレジットカードやスマホ決済で払えますか?
マイホームなら不動産取得税はかからないのですか?
相続で取得した実家にも不動産取得税はかかりますか?
納税通知書がなかなか届きません。払い忘れになりませんか?
軽減の申告を忘れていました。もう手遅れですか?
不動産取得税は確定申告で申告するのですか?
土地を先に買って、あとから家を建てる予定です。土地の軽減は受けられますか?
店舗併用住宅(1階が店舗・2階が住居)はどう扱われますか?
不動産取得税を安くする方法はありますか?
SECTION 11
免責事項
ご利用にあたっての免責事項
- 本記事は不動産取得税の一般的な仕組み・計算方法・支払いタイミングについて、2026年(令和8年度税制改正を含む)時点の情報をもとに解説したものです。正確性・最新性には努めていますが、その内容を保証するものではありません。
- 不動産取得税は地方税であり、税率・軽減措置・控除額・免税点・申告期限・納付方法などの取り扱いは都道府県によって異なる場合があります。実際の適用は、必ず取得した不動産の所在地を管轄する都道府県(都道府県税事務所)の案内をご確認ください。
- 軽減措置や特例には適用期限が定められており、毎年の税制改正によって内容・期限・要件が変更されることがあります。本記事の情報が古くなっている可能性がある点にご留意ください。
- 記事内のシミュレーションや金額は、理解を助けるための仮定に基づく試算例です。実際の税額は固定資産税評価額や個別の事情によって変動し、本記事の計算結果と一致しない場合があります。
- 本記事は特定の個別事案に対する税務・法務のアドバイスではありません。また、当方は税理士等の専門家として個別の助言を行うものではありません。具体的な税額の判断や手続きについては、税理士・都道府県税事務所などの専門機関へ必ずご相談ください。
- 本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、当方は責任を負いかねます。最終的な判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
正確な制度内容は、各都道府県税事務所の公式サイト、総務省(地方税制度)、国土交通省(住宅取得に関する特例措置)などの公的機関の情報をご確認ください。多くの都道府県では、税額の目安を自動計算できるシミュレーションツールも公開されています。
まとめ
不動産取得税は「一度きり」の税金ですが、計算方法・軽減措置・支払いタイミングを知っているかどうかで、負担も心の余裕も大きく変わります。最後に要点を振り返りましょう。
- 不動産取得税は取得時に一度だけかかる地方税。相続は非課税。
- 税額の基本は「固定資産税評価額 × 税率」。住宅・土地は3%、宅地は評価額が2分の1(2027年3月末まで)。
- 新築住宅は最大1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)、中古住宅は築年月日に応じて控除。
- 住宅用土地は「45,000円」か「床面積基準」の大きい方を控除。軽減で0円になることも多い。
- 軽減を受けるには取得後の申告が必要。期限は原則60日以内(都道府県により異なる)。
- 支払いは購入時ではなく、取得後3〜6か月後などに届く納税通知書で。金額を見越した資金計画を。
不動産取得税は、事前に金額を把握し、忘れず申告し、支払いタイミングに備えておけば決して怖い税金ではありません。とくに自己居住用の住宅・土地は軽減措置が手厚く、正しく申告すれば実質0円になるケースも多くあります。逆に、申告を忘れたり要件を勘違いしたりすると、思わぬ金額を支払うことにもなりかねません。
住宅の購入は人生でも大きな買い物です。物件価格や住宅ローンだけでなく、不動産取得税をはじめとする諸費用まで含めた資金計画を立てておきましょう。そして、ご自身のケースでの正確な税額や適用要件については、必ず都道府県税事務所や税理士などの専門家にご確認ください。本記事が、安心して不動産取得の一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。
「売主様第一主義」の
守口市・寝屋川市不動産買取売却センター
はじめまして。ハルソラ不動産の紺屋嶋(こやじま)と申します。不動産会社での売却実務経験を経て、「会社都合ではなく、売主様に本当に寄り添いたい」という想いでハルソラ不動産を立ち上げました。
宅建協会の役員を兼務し、行政の不動産相談にも携わっております。「相続した実家をどうすれば良いか」「空き家のまま固定資産税だけ払い続けている」「まず査定価格だけ知りたい」など、どんなご状況でも、守口市・寝屋川市の不動産売却・買取のことはお気軽にご相談ください。
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